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工場で働く約7分

半導体工場のファシリティエンジニアは何をしている?

ファシリティエンジニアは、半導体工場全体を「生かしておく」システムを見る仕事です。電気、超純水、ガス、化学品、クリーンルームの空調、排気と排水の処理、冷却水。チップをつくるのは装置ですが、装置には電気が要り、ウェーハをすすぐ水が要り、ガスや薬液が要り、熱と排ガスを外に出す道も要ります。それを全部届けるのがファシリティです。台湾では「水・電気・ガス・化学品」をまとめた言い方でよく呼ばれます。こうしたシステムは、ユーティリティとも呼ばれます。

ファシリティはどんなシステムを見ている?

工場をひとつの町だと思ってください。装置はお店です。ファシリティは、水道局、電力会社、ガス会社、ごみ処理を、ひとつの部署でまとめて受け持っています。

システム何をしている?
電気すべての装置、空調、ポンプが使う
超純水ウェーハをすすぐ、水分子のほかはほとんど何も含まない水
ガス窒素のように大量に使うガスは、大きなタンクや製造設備から配管で送る。毒性・可燃性・腐食性のある特殊ガスは、たいていボンベキャビネットから1本ずつ送る
化学品酸、アルカリ、溶剤を、配管で装置のそばまで送る
クリーンルームの空調空気をろ過し、温度と湿度を一定に保ち、室内の気圧を外より少し高くする
排気と排水装置から出た排ガスと使った水は、処理してから外に出す
冷却水行きと戻りの2本で、装置の熱を運び出す

こうした配管、ポンプ、処理装置の多くは、クリーンルームの下の階、サブファブにあります。装置の排ガスは、まずそばの排ガス処理で燃やしたり、分解したり、水で洗ったりしてから、太い排気ダクトへ送られます。超純水のつくり方は「超純水はどれくらい純粋?」、クリーンルームの空気の流れは「クリーンルームはどれくらいきれい?」へ。

なぜ少し止まるだけで影響が大きいの?

装置が壊れたら、止まるのはその1台です。ファシリティのシステムが止まったら、それを使うすべての装置が止まります。マンションの停電と同じで、暗くなるのは1部屋ではなく、建物全体です。

いちばんわかりやすいのは電気です。外から来る電圧が、ほんの一瞬だけ下がることがあります。たいていは1秒未満です。これが瞬時電圧低下です。その一瞬だけで、装置が止まることがあります。業界には、装置がある程度の短い電圧低下には耐えるよう求める規格まであります。それだけ珍しくないということです。止まった装置の中には、まだウェーハが入っていることもあります。もう一度立ち上げ、つくったものに問題がないか確かめるまで、数時間かかることがあり、重ければもっとかかります。

ほかのシステムも同じです。冷却水が止まれば、ポンプや装置はすぐに熱くなって止まります。超純水が止まれば、すすぎの工程ができません。温度や湿度がずれれば、どちらにも敏感なリソグラフィに響きます。だからこうしたシステムは一年中動いています(「半導体工場はなぜ24時間止まらないのか」)。

ファシリティエンジニアは毎日何をしている?

中央監視室:工場全体を壁一面で見る

工場全体の水、電気、ガス、化学品、排気、それにクリーンルームの温度、湿度、差圧の信号は、すべて中央監視室に集まり、壁一面の画面に並びます。中央監視室には24時間誰かがいるので、ファシリティにも交代で当直をする人がいます。アメリカでよく使われる消防の規則には、半導体工場についての章があり、生産エリアの外に緊急の制御室を置き、訓練を受けた人が常にいるよう求めています。

巡回:歩いて、目と耳で確かめる

画面に出るのは数字です。水のしずく、いつもと違う音、ゆるんだ部品は出てきません。だから現場を歩いて回ります。計器を読み、ポンプの音を聞き、漏れがないかを見ます。たとえば酸を送る配管には、二重管になっているものがあります。内側の管が漏れても外側の管が先に受け止め、そのあいだの漏液センサーのランプがつきます。

ボンベ交換、パージ、リークチェック

特殊ガスのボンベが空になれば交換します。これはいちばん気をつけるべき場面のひとつです。2人1組で、呼吸用保護具をつけて作業するのが一般的なやり方です。外す前にパージします。真空に引き、窒素を入れることを何度もくり返し、配管に残ったガスを追い出します。新しいボンベをつないだらリークチェック。検知器で継手をひとつずつかぎ、すき間がないのを確かめてから、ボンベを開けます。キャビネットの中にもガス検知器があり、もし漏れれば、まずそれが気づきます。

ロックアウト・タグアウト:作業中、さわらないで

何かを直す前に、そこへ何かを送り込むスイッチを切って鍵をかけ、名前を書いた札をかけます。これがロックアウト・タグアウトです。労働安全の規則では、止めるべきエネルギーは電気だけではありません。圧力、化学品、熱もそうで、配管のバルブもスイッチのひとつです。ファシリティのシステムは配管と電気ばかりなので、よく出てきます。

新しい装置が来る:フックアップ

新しい装置が届く前に、ファシリティは接続口を用意しておきます。装置が据え付けられたら、接続表を見ながら、水、電気、ガス、排気を1本ずつつないでいきます。これがフックアップです。装置の接続口にふつうどんなユーティリティが来るかをまとめた表も、業界の規格にあります。

ファシリティエンジニアと装置エンジニアはどう違う?

ひとことで言えば、装置エンジニアは装置そのものを、ファシリティエンジニアは装置に届ける水・電気・ガスを見ます。境目はおおよそ装置の接続口です。その外側の配管、電気、排気はファシリティ、内側の装置の部品は装置エンジニアの担当です。

装置エンジニアファシリティエンジニア
見るもの装置そのもの:チャンバー、部品、保守装置に届けるもの:電気、水、ガス、化学品、排気、冷却水
何か起きたときの範囲たいてい1台そのシステムを使うすべての装置
よくする仕事アラーム対応、PM、部品交換中央監視室、巡回、ボンベ交換、フックアップ

両者はよく電話をかけ合います。たとえば、ある装置がいつもよりガスを多く使っているとします。ファシリティには供給側からそれが見えます。供給元は正常、同じ系統のほかの装置も正常。原因がその装置自身の継手なら、それは装置エンジニアの仕事です。装置エンジニアの仕事は「プロセスエンジニアと装置エンジニアはどう違う?」へ。これらのシステムにかかわる知識は、電気、機械、化学工学、環境工学にまたがっています。

fab24hrでは

「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「量産工場」を押し、左右にスワイプしてファシリティエンジニアを選びます。ゲームで見るのはガスと化学品です。4つのシフトのどれになるかは、開いた時刻で決まります。深夜シフト「当直」では、中央監視室で壁を見ます。保守のあと、洗浄装置の酸補充バルブが手動のままになっていて、2人で下の階へ行き、まずバルブにロックとタグがないかを確かめてから自動に戻します。ヘリウムの件で「1台の問題か、全部か」と電話が来ることもあり、供給側から答えます。朝シフト「ボンベ交換」では、ボンベキャビネット、エッチング装置の下のポンプ、洗浄エリアへの二重管を巡回し、2人で特殊ガスのボンベを1本交換します。省いた手順は、あとで戻ってきます。昼シフト「搬入」では、新しい装置が2つの扉を通って入り、接続表を見ながら1本ずつフックアップし、新しいガス配管の保圧テストを最後まで待つかどうかを決めます。夜シフト「キャビネットの中のわずかな反応」では、ボンベキャビネットの検知器がわずかに反応し、本当に漏れているのか、検知器がずれただけなのかを見分けます。ゲームに出てくる工場、人物、装置番号、時刻は架空のもので、パージを何回するか、警報をいくつに設定するかといった数字も書いていません。ファシリティが何を見ていて、なぜそうするのかは、公開されている一般的な資料をもとに書いていて、どの会社のやり方を示すものでもありません。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかファシリティエンジニア(量産工場)を遊ぶと、深夜シフトは中央監視室で壁一面の画面を見て、朝シフトは巡回と2人でのボンベ交換、昼シフトは新しい装置を1本ずつフックアップします。

fab24hrでファシリティエンジニアの一日を。装置が使うガスと薬液は、下の階から送り出します。

ファシリティエンジニアで遊び、装置に届くガスと薬液を守る

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