半導体入門講座:チップの一生をたどる
半導体をゼロから知りたい人のために
1つのチップの一生をたどる、無料の講座の目次です。半導体の業界が何をしているのかから、工場で1層ずつどうつくり、正しくできたことをどう確かめるのか、そして工場で働く人たちとこれからまで。各回には、やさしい言葉で書いた記事、ゲーム fab24hr の章やシフト、そして正解のない問いがあり、工場やパッケージングとテストの回の多くには、分解して見られる3D装置もあります。インストールもログインも不要で、スマホで読めて、遊べます。
- 6ウェーハとクリーンルーム
- 7チップのつくり方:全体の流れ
- 8洗浄:工程のあいだにウェーハを洗う
- 9拡散炉:高温で酸化とアニール
- 10成膜:1層ずつ積み上げる
- 11リソグラフィ:パターンを焼き付ける
- 12エッチング:パターンどおりに削る
- 13ドーピング:イオン注入とアニール
- 14配線と研磨:CMPと何層もの金属
- 15プロセスインテグレーション:数百の工程を1本の道に並べる
- 1624時間止まらない工場
第1部 半導体は何をしているのか
チップとは何か、その中の、多いものでは100億個を超えるスイッチが何をしているのか、そして業界の上流から下流までがそれぞれ何をして、どう協力しているのか。
第1回半導体とチップとは何か
「半導体」という言葉は、材料のことも、産業全体のことも指します。まず、よく混ざって使われる言葉を区別しましょう。半導体、ウェーハ、チップ、集積回路です。
わかること
- 導体や絶縁体と半導体の違い、そして「電気を通すかどうかを制御できる」ことがなぜ大事かを説明できる。
- ウェーハ、チップ、集積回路を区別でき、「半導体業界」がどんな種類の会社の分業でできているかを言える。
- チップが設計、半導体工場での製造、パッケージングとテストの3段階を通ることを知る。
- 必読半導体入門:半導体とは? 半導体工場は何をしている?半導体とは? なぜ「半」導体なのか半導体チップとは? ウェーハ、IC、半導体とはどう違うのか
- 遊ぶ「出勤」を押して始める:「チップの一生」で1つのチップを最後まで追うか、「工場の一日」で工場の誰かとして1シフト働く
考える
- 身の回りでチップが入っているものは何でしょう? 明日、世界のチップが半分になったら、あなたの一日はどこで最初に止まりますか?
- チップは1社が最初から最後までつくるのではなく、何種類もの会社が分担して仕上げます。この分業にはどんな利点があり、どんなリスクがありますか?
第2回トランジスタ:100億個を超えるスイッチ
チップが計算したり記憶したりできるのは、電気で切り替わる小さなスイッチがたくさんあるからです。スマホのチップには100億個以上あります。この回では、1つのスイッチからプロセッサとメモリまでを見ます。
わかること
- スイッチにたとえてトランジスタの働きと、ふだんオフである理由を説明し、0と1が本当は配線の電圧の高さだと言える。
- 2種類のスイッチをなぜ1組にするのか(CMOS)、スイッチを直列・並列につなぐとなぜ論理ゲートになり、それを組むとなぜ足し算の回路になるのかを説明できる。
- トランジスタを小さくすると何がよくなるか、そして何もしていないチップがなぜ電力を使うのかを知る。
- 必読トランジスタとは? スマートフォンのチップに100億個以上のスイッチがある理由CMOSとは? チップのスイッチが2種類で1組になっている理由論理ゲートとは? スイッチはどうやって計算するチップになる?
- 関連メモリとプロセッサは何が違う? DRAMとフラッシュメモリの違いもチップはなぜ電気を使う? 何もしていないときの待機電流とリーク
- 遊ぶ第10章「待機電流」から:何もしていないのに電力を使いすぎるチップ
考える
- 使っていないスマホも、少しずつ電池が減ります。電気はどこへ行ったのでしょう? この回で読んだことを使って説明してみましょう。
- 電源を切ると忘れるメモリと、切っても覚えているメモリがあります。スマホにはなぜ両方が必要なのでしょう? 身の回りに似た分担はありますか?
第3回サプライチェーン:上流から下流まで、誰が何をしてどう協力する?
1つのチップが、材料、設計、マスク、半導体工場、後工程を通ってスマートフォンの中に入るまでには、何社もの会社を通ることがよくあります。まず、それぞれの段階が何をし、なぜ別の会社が担うことが多いのかを見てから、1件の注文を追って、プロセス選びから後工程工場にウェーハが届くまでをたどりましょう。
わかること
- サプライチェーンのそれぞれの段階が何をするか、なぜ別々の会社が担うことが多いのかを言え、ニュースの上流・中流・下流がどちらの分け方かを読み取れる。
- ファブレス、ファウンドリ、IDM、後工程工場を区別でき、なぜこう分業するのか、1か所切れるとなぜ全体が遅れるのかを説明できる。
- 設計会社が、プロセス選び、テープアウト、マスクづくり、ウェーハ投入から後工程工場へ送るまでをどう進めるか、新製品がなぜまずシャトルに乗り、エンジニアリングロットから始めることが多いのかを言える。
- 必読半導体のサプライチェーンとは? 上流から下流まで、だれが何をしている?ニュースのファブレス、ファウンドリ、IDMは何が違う?ニュースの「ファウンドリ」とは? ほかの会社のチップをつくる商売のしくみチップの設計会社は、ファウンドリとどう進める? 発注から納品までの流れ
- 関連半導体チップは、なぜこんなに高いのか
- 遊ぶ第4章「2週間前倒し」から:信頼性試験はあと3週間。お客さんはリスク投入を望み、あなたが提案する
考える
- ファウンドリは、競合する何社ものチップを同時につくることがよくあります。もしあなたが小さな設計会社を経営していたら、いちばん大事な設計データを渡す前に、何を確かめておきたいですか?
- 初めてのチップは、シャトル(MPW)に乗ることも、最初から自分のマスクを1セットつくることもできます。あなたが決めるなら、何を見て決めますか? それぞれ何と引きかえになりますか?
第2部 チップが生まれる前
工場に入る前に、1つのチップが必要とされるところから設計になり、フォトマスクづくりに渡されるまで。
第4回ニーズ、仕様、半導体設計
チップは半導体工場に入る前に、コンピューターで全部設計し、何度もチェックします。大きなチップには100億個以上のトランジスタがあり、手では描ききれず、チェックもしきれないので、どの段階も設計ソフトに頼り、買ってくる区画もあります。「何をするチップか」から設計データを渡すまで、どの段階も、テープアウトのあとで間違いが見つかるのを防ぐためにあります。
わかること
- デジタルのチップ設計が、仕様、動きを書く、検証、論理合成、配置配線、サインオフとテープアウトの順に進むこと、それぞれの段階でどんな設計ソフト(EDA)を使うかを言える。
- 検証のしかた(仕様から問題を出す、カバレッジを見る、数学で証明する)と、テープアウトのあとで見つかった間違いがなぜ特に高くつくのかを説明できる。
- チップの中でよく買ってくる区画である半導体IP、ソフトIPとハードIPの違い、工場のルールがPDKを通じてどう設計に入るかを知る。
- 必読チップはどうやって設計する? 半導体設計(LSI設計)の流れ半導体IP(IPコア)とは? チップに「買ってきた回路」が入っている理由EDAとは? チップを設計するソフトは、各段階で何をしている?チップの検証とは? テープアウトの前に、設計が正しいとどう確かめる?
- 関連SoCとは? スマートフォンの中の「システム・オン・チップ」をやさしく解説アナログ半導体とデジタル半導体は何が違う?VLSI設計と半導体工場の仕事はどう違う?
- 遊ぶ第1章「12枚をどう分ける」から:設計でモデルを使って計算したコーナーを本当につくり、設計が持ちこたえるかを見る
考える
- 補聴器をつくる小さな会社が、初めて自分たちでチップを設計します。マイクの音を数字に変えるアナログ回路や、チップ全体に拍子を送るクロックの回路は、自分で描くこともできれば、できあいのIPを買うこともできます。どれを自分でつくり、どれを買うか、どう決めますか? 買う前に、売り手に何を聞きますか?
- 検証には多くの人と時間がかかりますが、減らせばテープアウトのあとで間違いが見つかるおそれがあります。スケジュールが厳しいとき、「チェックはここまでで十分」をどう決めますか?
第5回マスクとテープアウト:設計がマスク1セットになるまで
チェックした設計を半導体工場に渡すことをテープアウトといい、そのあとで変えるにはマスクをつくり直すしかありません。設計図はそのままでは焼き付けられず、まず補正して、1セットのフォトマスクにします。マスクは露光の原版で、そこにある焼き付く点ひとつ、わずかなずれひとつが、どのウェーハのどのショットにも焼き付きます。だから、とても正確に描き、とても細かく検査します。
わかること
- テープアウトの前に最後に何を確かめ、何を渡すのか、テープアウトのあとで変えるとなぜお金も時間もかかるのかを言える。
- マスクがどうやってパターンをウェーハに焼き付けるのか、1種類のチップになぜ何十枚も要るのか、図をなぜ先にOPCでわざと変え、どれだけ変えるかをコンピューターで計算するのかを説明できる。
- マスクをどう描き、どう検査・修正するのか、1セットがなぜそんなに高いのか、工場に届いてからなぜもう一度検査するのかを知る。
- 必読テープアウトとは? チップの設計を渡したあと、何が起きるのかフォトマスクとは? どうやってつくり、1セットがなぜそんなに高いのかOPC(光近接効果補正)とは? フォトマスクの図は、なぜチップの図と違うのか
- 関連半導体工場のマスクエンジニアは何をしている?
- 遊ぶマスクエンジニアとして1シフト遊ぶ:マスクにヘイズや点、傷が出たとき、まだ露光装置に載せられるかを決める
考える
- OPCを細かくするほど、マスクのデータは大きくなり、つくる時間も費用も増えます。チェックする条件を増やすほど、コンピューターの計算にも時間がかかります。でも理想の条件でしか合わない図は、量産で問題を起こすかもしれません。テープアウトの日が迫っているとき、どの層の、どこに時間をかけますか? それはなぜですか?
- マスクの点ひとつはどのショットにも焼き付くので、マスクはしばらく使ったら下ろして検査します。検査が多すぎるとマスクを使えない時間が増え、少なすぎると問題が大きくなってから見つかります。あなたが決めるなら、どう釣り合いを取りますか? 何を見て決めますか?
第3部 半導体工場の中
ウェーハが工場の中で一工程ずつチップになっていく流れ。それぞれの工程で何をするのか、なぜそうするのか、そうしないとどうなるのか。
第6回ウェーハとクリーンルーム
チップは丸いシリコンのウェーハの上に、とてもきれいなクリーンルームの中でつくられます。なぜ丸いのか、なぜだんだん大きくなったのか、どこまできれいにする必要があるのかを見ます。
わかること
- ウェーハがなぜ丸いのか、12インチや8インチが何を意味するのか、大きくすると何がよいのかを説明できる。
- 「1立方メートルの空気に粒子が最大いくつあってよいか」でクリーンルームのクラスを説明し、粒子1個でなぜチップが壊れるのかを言える。
- 半導体工場が大量の超純水や特殊なガスを使うこと、そしてなぜ慎重に扱うのかを知る。
- 必読ウェーハはなぜ丸いのか12インチ、8インチのウェーハとは? ウェーハはなぜ大きくなってきたのかクリーンルームはどれくらいきれい? クラス100、ISO 5の数え方
- 関連クリーンルームでは、なぜ全身を覆う防塵服を着るのか超純水はどれくらい純粋? 半導体工場はなぜ水をたくさん使うのか半導体工場ではどんなガスを使う? なぜそこまで慎重なのか半導体工場はなぜ大量の電力を使うのか
- 見るエアシャワー · ボンベキャビネット
- 遊ぶファシリティエンジニアとして1シフト遊ぶ:水、電気、空調、ガス
考える
- 半導体工場は水も電気もたくさん使い、経済にとっても重要です。もし工場の近くに住んでいたら、何が気になりますか? 会社にどんな説明を求めますか?
- クリーンルームでは、人がいちばん大きな粒子の発生源です。出入りのルールを決めるとしたら、どんな3つのルールにしますか? それはなぜですか?
第7回チップのつくり方:全体の流れ
1枚のウェーハは、工場の中で数百の工程を数か月かけて進みます。まず全体の地図を見て、次の回から工程エリアを1つずつ見ていきます。
わかること
- 設計、フォトマスク、半導体工場、テスト、パッケージングというおおまかな順番を言える。
- 工場の7つのプロセスエリア(洗浄、拡散炉、成膜、リソグラフィ、エッチング、CMP、イオン注入)がそれぞれ何をするかを知る。
- チップは「膜をつける、パターンを焼き付ける、いらない部分を削る」を何度も繰り返し、1層ずつ積み上げてつくることを理解する。
- 必読半導体はどうやって作られる? 製造工程を順番にわかりやすく半導体工場の7つのプロセスエリアは、それぞれ何をしている?
- 関連ウェーハ投入とは? ロットの日数はいつから数える?ファブとは? 半導体の「ファブ」と「ファブに入る」の意味半導体のレシピとは? 工場の装置が従う「処理条件」
- 見るクラスタツール
- 遊ぶ第2章「一工程ずつ」から:7つのプロセスエリアで、1つずつ自分で作業する
考える
- チップはなぜ「成膜、焼き付け、エッチング」を1層ずつ繰り返してつくるのでしょう? 一度にはつくれない理由を、家づくりなど身近な例で説明してみましょう。
- 1枚のウェーハは数か月も工場にいます。これほど長い流れの中で、いちばん大きなリスクはどこにあると思いますか? どうすれば早く気づけるでしょう?
第8回洗浄:工程のあいだにウェーハを洗う
ウェーハは工程を1つ終えるたびに、表面に目に見えないものが残り、次の工程は表面の汚れをいちばん嫌います。洗浄はフロー全体でいちばん回数の多い工程のひとつで、洗い足りなければ次の層がうまく育たず、洗いすぎれば削れた分は元に戻りません。
わかること
- 洗浄で落とす4種類のものと、それぞれが残るとどんな害があるのかを言える。
- よく使われる標準の洗浄がどんな段階に分かれ、それぞれ何を落とすのか、なぜ薬液のたびに超純水ですすぐのか、槽に順に浸けるやり方と1枚ずつ吹きつけるやり方にそれぞれどんな利点があるのかを説明できる。
- 濃度・温度・時間で洗う力がどう決まるのか、なぜ長く洗いすぎてもいけないのか、洗ったあとなぜ長く置けないのかを説明できる。
考える
- バッチ式は一度にたくさん洗え、枚葉式は1枚ずつで、前のウェーハの汚れを次へ持ち込みにくい方法です。ある工程でどちらを使うかをあなたが決めるとしたら、まず何を確かめますか?
- 洗ったウェーハには時間の上限がありますが、次の装置は止まったり、メンテナンス中だったり、前に特急ロットが並んでいたりします。次のロットをいま洗うべきでしょうか? それぞれの選び方にどんな代償がありますか?
第9回拡散炉:高温で酸化とアニール
多くのプロセスで、トランジスタのゲートの下にあるとても薄い絶縁膜は、拡散炉の高温で育てます。打ち込んだ原子も、熱をかけてはじめて電気を通すようになります。でも熱をかけるたびに、前につくったものがまた少し動くので、熱は最初から最後まで数えておかなければなりません。
わかること
- 熱酸化になぜ高温が要るのか、新しい酸化膜がどこにできるのか、ドライ酸化とウェット酸化をそれぞれどこに使うのかを説明できる。
- アニールで打ち込んだ原子がどうして電気を通すようになるのか、温度や時間が多すぎ・少なすぎるとどうなるのか、なぜ数秒だけ熱するアニールもあるのかを説明できる。
- 拡散炉が100枚以上をどうやって同じように熱し(ゾーンごとの加熱、ダミーウェーハ)、それをどう確かめるのか(モニターウェーハ)、熱履歴をなぜ最初から最後まで計画するのかを言える。
考える
- 100枚を一度に処理するのは効率的ですが、その1回が失敗すると損失も大きくなります。生活や仕事で、どんなときに「まとめて一度に」を選び、どんなときに「1つずつ」にしますか? それはなぜですか?
- 一炉が途中で止まりました。全部やり直せば熱履歴が1段分まるごと増え、ホールドしてモニターウェーハを測ってから残りだけを流せば、そのぶん時間がかかります。あなたが決めるとしたら、まず何を知りたいですか?
第10回成膜:1層ずつ積み上げる
チップのほとんどの層は、新しい材料の膜をつけるところから始まり、それがあってはじめてパターンを焼き、削ることができます。膜の厚さ、均一さ、きれいさは、そのままエッチング、研磨、次のリソグラフィに響きます。
わかること
- 薄膜とは何か、なぜほとんどの層が成膜から始まるのか、拡散炉での酸化や、ウェーハの格子に合わせて育てるエピタキシャル成長とどう違うのかを言える。
- CVD、スパッタリング、ALDで膜がそれぞれどこから来るのか、何が得意なのかを区別し、多くの装置がなぜまず真空にするのか、深い穴の入口が先にふさがるとなぜ困るのかを説明できる。
- 膜がなぜ均一で、パーティクルがなく、ウェーハを反らせすぎてはいけないのか、つけたあとどう測るのかを説明できる。
- 必読成膜とは? チップはどうやって1層ずつ積み上げていくのかエピタキシャル成長とは? ウェーハの上に、きれいにそろったシリコンの層をどう育てるのか
- 関連半導体の装置は、なぜ真空にするのか
- 見るCVDチャンバー · PVDチャンバー
- 遊ぶ成膜のプロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:スパッタリング装置がつける膜を1層ずつ見守る
考える
- 膜の「厚さ」と「均一さ」、守るのが難しいのはどちらだと思いますか? 中央が厚く、端が薄くなったら、後の工程でどんな問題が起きそうですか?
- 膜が少し厚くても薄くても、次のCMPの磨き上がりが変わります。あなたが成膜のエンジニアなら、聞かれる前に次の工程へ何を伝えますか? それはなぜですか?
第11回リソグラフィ:パターンを焼き付ける
リソグラフィは、チップのパターンをどこまで細かくできるかを決める工程です。もっとも精密な工程の1つで、最先端の露光装置はとても高価です。
わかること
- 写真の焼き付けやはんこにたとえて、フォトレジスト、フォトマスク、露光、現像がそれぞれ何をするかを説明し、ポジ型とネガ型のレジストを区別でき、リソグラフィのエリアがなぜ黄色い光なのかを言える。
- 露光の前に下の層へどう位置を合わせるのか、焼いたあと重ね合わせをどう測るのか、測ったずれを次のロットでどう補正するのか、そしてエッチングの前ならなぜやり直せるのかを説明できる。
- 光の波長が短いほど細かいパターンを焼き付けられる理由、193ナノメートルの光で数十ナノメートルの線をどう焼くのか、そして極端紫外線(EUV)がなぜ難しいのかを知る。
- 必読フォトリソグラフィとは? チップの回路パターンはどうやって焼き付けるのかフォトレジストとは? ポジ型とネガ型は何が違う?重ね合わせ(オーバーレイ)とは? チップの上下の層は、なぜぴったり合わせるのかリソグラフィのエリアは、なぜ黄色い照明なのか
- 関連193ナノメートルの光で、なぜ数十ナノメートルの線が焼けるのか? 液浸露光とマルチパターニング極端紫外線(EUV)とは? その装置は、なぜそんなにつくるのが難しいのか
- 見るコータデベロッパ · 露光装置
- 遊ぶリソグラフィのプロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:回路パターンをウェーハに焼き付ける
考える
- 次の層を焼き付ける前には、下の層に位置を合わせる必要があり、わずかなずれでウェーハ全体が使えなくなることもあります。あなたの生活で「前の層にぴったり合わせなければならない」のはどんなことですか? ずれたらどうなり、合っているかをどう確かめますか?
- 最先端の露光装置はとても高価です。装置がそれほど高いことは、チップの値段や、だれが最先端のチップをつくれるかに、どんな影響を与えるでしょう?
第12回エッチング:パターンどおりに削る
リソグラフィはパターンをレジストに焼き付けるだけで、下の材料はまだ少しも変わっていません。それを本当にウェーハに刻むのがエッチングで、しかも失敗するとやり直しがききにくい工程です。
わかること
- エッチングとリソグラフィの関係を説明できる。レジストがどう型紙になり、エッチングがなぜ覆われていない所だけを削るのか。
- ウェットエッチングとドライエッチングを区別し、プラズマとは何か、なぜまっすぐ、しかも材料を選んで削れるのか、選択比とは何かを言える。
- 装置が削り抜けたことをどう知るのか、なぜもう少し削るのか、削り足りない・削りすぎるとどうなるのか、そしてなぜチャンバーを毎日見るのかを説明できる。
- 必読エッチングとは? ドライエッチングとウェットエッチングは何が違う?プラズマとは? 半導体工場がエッチングにプラズマを使う理由
- 見るエッチングチャンバー
- 遊ぶ第6章「あの電話」から:真夜中、エッチング装置が止まった
考える
- 終点検出が「削り抜けた」と言っても、装置はもう少し削ります。短すぎれば通らない穴が残り、長すぎれば下の層を傷めます。その長さをあなたが決めるとしたら、まずどんなデータを見ますか?
- 夜中に装置が止まり、半分まで削ったウェーハが中に閉じ込められました。情報が集まるのを待つことと、すぐに手を打つことには、それぞれどんな代償がありますか?(第6章を遊んでから考えてみましょう)
第13回ドーピング:イオン注入とアニール
とても純粋なシリコンは電気をほとんど通しません。チップに必要なのは「この小さな領域は電気を通し、となりは通さない」ことなので、ほかの原子をほんの少し、正しい場所に正しい深さで入れなければなりません。
わかること
- 純粋なシリコンがなぜほとんど電気を通さないのか、n型とp型は何が違うのか、nとpをどう並べるとスイッチがふだんオフで、ゲートに電圧をかけたときだけオンになるのかを説明できる。
- イオン注入装置がどうやって原子をシリコンに打ち込むのか、エネルギーとドーズがそれぞれ何を決めるのか、打たない場所をレジストでどう守るのかを説明できる。
- 打ったあとなぜアニールするのか、打ち間違いはなぜ救えないのか、なぜ打つ前に照合し、打ったあとにシート抵抗を測るのかを説明できる。
- 必読ドーピングとは? n型とp型で「ふだんはオフ」のスイッチをつくるしくみイオン注入とは? 半導体工場はどうやって原子をシリコンに打ち込むのか
- 見るイオン注入装置
- 遊ぶイオン注入のプロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:原子、エネルギー、ドーズはあなたの担当
考える
- 打ち間違えたウェーハは見た目がまったく同じで、ずっとあとまで気づかれないことがあります。ロットを入れる前に1行ずつ照合するのがあなただとしたら、見落とさないためにどんな工夫をしますか? 誰にもう一度見てもらうべきでしょう?
- アニールは十分に熱する必要があるけれど、長すぎてもいけません。「少し多めのほうが安心」と「やりすぎると逆に悪い」が両方成り立つとき、どこで止めるかをどう決めますか?
第14回配線と研磨:CMPと何層もの金属
トランジスタは、何層もの金属配線でつないではじめて役に立ちます。配線をどう掘り、どう銅で埋め、どう平らに磨くかで、電気がつながるかどうかも、チップがどれだけ速く動くかも決まります。
わかること
- チップがなぜビルに似ているのかを説明できる。いちばん下にトランジスタ、その上に何層もの配線があり、ビアとコンタクトで上下をつなぐ。
- 銅をなぜ「掘ってから埋める」(ダマシン法)のか、なぜ先にバリア層をつけるのか、銅に触れた装置やウェーハをなぜトランジスタ側と分けるのかを説明できる。
- CMPでなぜ平らに磨くのか、どこで止めるのか、足りない・磨きすぎるとどうなるのか、配線がなぜますますチップの足を引っぱるのかを説明できる。
- 必読チップの中の配線はどうつくる? ビア、銅、先に溝を掘ってから埋める理由CMPとは? ウェーハはなぜ平らに磨くのか
- 見る化学機械研磨
- 遊ぶCMPのプロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:どれだけ磨き、どこで止めるかを決める
考える
- 研磨パッドは使ううちにつるつるになり、同じ時間で削れる量がだんだん減ります。いま2時間止めてパッドを替えるのと、研磨時間を延ばしてしのぐのとでは、それぞれどんな代償がありますか? 誰に影響が出ますか?
- 前の工程の膜が少し厚くなりました。まだ規格内ですが、CMPで磨いた結果もそれにつられて変わります。2つの工程のあいだで、誰が先に気づき、誰が先に声をかけるべきでしょう?
第15回プロセスインテグレーション:数百の工程を1本の道に並べる
どの工程も正しくできても、チップが動くとは限りません。数百の工程を1本の流れに並べ、工程どうしの影響を最初から最後まで見る人が必要です。
わかること
- トランジスタ1つのつくり方を、素子分離、ウェル、ゲート、ソースとドレイン、アニール、コンタクト、1層目の金属配線の順に言い、それぞれがなぜ必要かを説明できる。
- 順番をなぜ勝手に変えられないのか(金属は高温に弱く、熱はたまっていく)、なぜ工程のあいだで長く待てないものがあるのか(Qタイム)を説明できる。
- どの工程も規格内なのにチップがうまくいかないことがあるのはなぜか、インテグレーションのエンジニアが結果からどうさかのぼるのかを説明できる。
- 必読トランジスタはどうやってつくる? 素子分離から1層目の金属配線まで、一歩ずつプロセスインテグレーションエンジニア(PIE)は何をする? プロセスエンジニアとの違いQタイムとは? ウェーハを長く置いておけない理由
- 遊ぶプロセスインテグレーションのエンジニアとして1シフト遊ぶ:見るのは1台の装置ではなく、最初の工程から最後までの1つの製品
考える
- 条件を1つ変えると、この工程はよくなっても、後ろのどこかの工程が悪くなるかもしれません。変えるかどうかを決める権限は誰が持つべきでしょう? 決める前に、どんなデータを見るべきでしょう?
- 次の工程の装置が急に止まり、あるロットのQタイムがカウントダウン中です。修理を待つことと、前の工程をやり直すことには、それぞれどんな代償がありますか?
第16回24時間止まらない工場
半導体工場は明かりを消しません。ウェーハは密閉された箱に入って天井のレールを移動し、工程の間で長く待てないものもあります。特急ロットも装置のメンテナンスも、すべて予定に組み込む必要があります。
わかること
- 半導体工場がなぜ24時間動いているのか、止めると何が失われるのかを説明できる。
- ウェーハが工場の中をどう移動するのか、MESがどうやって各ロットの居場所を覚えているのか、1枚のウェーハがなぜ数か月かかるのかを知る。
- 生産の組み方のトレードオフを理解する。特急ロット、工程間の待ち時間の上限(Qタイム、Q-time)、メンテナンスがどう影響し合うか。
- 必読半導体工場はなぜ24時間止まらないのかウェーハは工場の中をどう移動する? FOUPと天井を走るOHTMESとは? 半導体工場のコンピューターは、どのロットがどこにいるかをどう知っているのかウェーハをつくるのにどれくらいかかる? サイクルタイムが何か月にもなる理由
- 関連ホットロット(特急ロット)とは? 特急なのに、いつも先頭とは限らない理由装置の赤・黄・緑のランプは何を意味するのか
- 見るOHT(天井搬送) · ストッカー
- 遊ぶ製造部として1シフト遊ぶ:エリア全体のロットを前に進める
考える
- 交代勤務のおかげで工場は止まりませんが、人には睡眠が必要です。止まらない工場は、そこで働く人をどう守るべきでしょう?
- 特急ロットが割り込むと、先に並んでいたロットは待たされます。特急ロットはいつも最優先にすべきでしょうか? 誰が、何をもとに決めるべきでしょう?
第4部 正しくできたとどうしてわかるのか
工場はどう測り、毎日の数字をどう見張り、歩留まりをどう数えるのか。問題が起きたら、どう一歩ずつ対処するのか。
第17回計測と検査:何を測り、何枚測るか
ウェーハは何百もの工程を数週間から数か月かけて進んでから、ようやく電気を流して試せます。最後になって間違いに気づいたのでは遅すぎるので、大事な工程が終わるたびに、正しくできたかを確かめます。
わかること
- ウェーハが完成するまで待たずに、なぜ途中で測るのかを説明できる。
- 計測と検査を区別し、膜厚、線幅、重ね合わせがそれぞれおおよそどう測られるか、欠陥検査と欠陥レビューの違いを言える。
- 計測や欠陥の走査がなぜ多くは抜き取りで、モニターウェーハも入れるのか、多く測ることと少なく測ることにそれぞれどんな代償があるかを説明できる。
- 必読半導体工場は、工程がうまくいったかをどう確かめる? 計測と検査の違い欠陥検査とは? ウェーハ上のパーティクルや傷をどう見つける?
- 見る電子顕微鏡の測定装置
- 遊ぶ第2章「一工程ずつ」から:2日目に計測装置へ行き、炉の1回分のモニターウェーハを測る
考える
- 多く測れば安心、少なく測ればロットが速く流れます。あなたが担当する装置が最近少し不安定なら、測るロットをどれだけ増やすか、どう決めますか? まず誰に相談しますか?
- 「となりのチップと比べる」方法では、どのチップにもある問題は見つかりません。あなたの生活や仕事にも、「みんな同じだから見えない」間違いはありますか? どうやって見つけますか?
第18回管理図と日々の監視
測った数字は、ものさしと比べてはじめて、工程がいつもどおりかどうかがわかります。管理図はそのものさしで、不良品が出る前に、工程が変わりはじめたことを見せてくれます。
わかること
- 管理限界がどこから来るのか、規格とどう違うのかを説明し、OOCとOOSを区別できる。
- まだ規格内で、管理限界の外に出た点がひとつもなくても、止めて原因を探すことがあるのはなぜかを説明できる。
- モニターウェーハ、FDC、APCがそれぞれ何をいつ見るのかを言え、システムがルールに従ってロットごとに補正することが、なぜ「限界の内側なら動かさない」と矛盾しないのかを説明できる。
- 必読SPCの管理図とは? OOCとOOSはどう違う?モニターウェーハ、ダミーウェーハとは? 装置は毎日どうやって「いつもどおり」を確かめるのかAPCとは? 測ったあと自動で補正する仕組み:フィードバックとフィードフォワードFDCとは? 装置のセンサーは、どうやってずっと見張られているのか
- 関連装置のPM(予防保全)とは? なぜ定期的に止めるのか半導体工場の変更管理とは? 条件を1つ変えるのに、なぜ何人もの承認が要るのか
- 遊ぶ第7章「火消し」から:OOCのロットが判断を待ち、計測装置には中心線の下に8点続いた管理図がある
考える
- 管理図が「まだ規格内だが、いつもと違う」と示し、ロットが待っています。次の工程へ通した場合と、ホールドしたまま調べる場合、それぞれ誰が代償を払いますか?
- 管理図の判定ルールもFDCのしきい値も、厳しくするほど早く気づけますが、誤報も増えます。ゆるすぎれば、ゆっくり悪くなるものが見えません。あなたが決めるなら、どこで線を引きますか? 誤報で何度も呼ばれた人は、次も真剣に見るでしょうか?
第19回歩留まりとウェーハマップ
工場が最後に送り出すのは良品のチップです。歩留まりは良品が何割か、ウェーハマップは不良がどこにあるかを教えてくれます。両方を合わせて見て、はじめてどの工程に戻って調べればいいかがわかります。
わかること
- 歩留まりの計算のしかた、1工程ごとのわずかな差が掛け合わさると大きな差になる理由、そして欠陥密度を使って、チップが大きいほど歩留まりが下がる理由を説明できる。
- WATとウェーハマップを区別できる。一方はスクライブライン上のTEGを測り、もう一方はすべてのチップをテストする。
- ウェーハマップに現れた不良の形が、よくどんな種類の問題を指すかを言い、新しいプロセスの歩留まりが1回ずつどう上がっていくのか(歩留まり学習)、なぜだんだんゆるやかになるのかを説明できる。
- 必読ニュースの「歩留まり」とは? 1%の差がなぜ大きいのかチップが大きいほど、歩留まりが下がるのはなぜ? 欠陥密度、歩留まりモデルと歩留まり向上WATとは? ウェーハマップから、どこで失敗したかをどう読む?
- 遊ぶ第3章「不良の形」から:WATで1枚が不合格、続いて3枚のウェーハマップからおかしなところを指す
考える
- 歩留まりが90%から95%に上がりました。工場にとって、チップを買う会社にとって、製品を使う人にとって、それぞれ何を意味しますか?
- ウェーハマップの不良が格子状に並んでいます。マスクかもしれないし、プローブカードかもしれません。それぞれ確かめるのにどれだけ手間がかかりますか? どちらを先に調べますか? それはなぜですか?
第20回問題が起きたら:アラームから再発防止まで
どんなに慎重な工場でも、問題は起きます。違いが出るのは、最初の数分を正しい順番で動けるか、そしてそのあと、間違いを通してしまった穴をふさげるかです。
わかること
- 問題が起きたあとの順番を言える。まず止めて、封じ込めて、それから確かめ、範囲を決め、1枚ずつ行き先を判断し、原因を探す。なぜこの順番なのか、ふつう誰が判断するのかを説明できる。
- OCAP(異常処置計画)をなぜ前もって書いておくのか、書かれていない場合はどうするのかを説明できる。
- なぜなぜ分析(5 Why)で根本原因を変えられる層までどうたどるのか、なぜ「誰が不注意だったか」ではなく手順の穴を探すのか、どの対策がいちばん確実か、そしてなぜ証拠を見てから終えるのかを説明できる。
- 必読OCAPとは? 異常が出たときの対応計画ホールドとは? 止めたロットを流すか、リワークか、スクラップかは誰が決める?根本原因分析とは? 8Dとなぜなぜ分析の使い方
- 関連故障解析(不良解析)とは? 壊れたチップの原因をどう突き止める?MOとは? 半導体工場でいう「誤操作」
- 遊ぶ第8章「時間との勝負」から:夜中に止まった1枚をやり直し、振り返りの会議で手順の穴をふさぐ
考える
- 午前3時、装置が赤ランプになりました。ロットは待っていて、エンジニアは寝ています。となりの人は「リセットを1回押せば、たいてい通る」と言います。OCAPどおりに電話することと、まず試してみることには、それぞれどんな代償がありますか?
- あなたが何度もしてしまう小さな失敗を1つ思い浮かべてください。たとえば鍵を持たずに家を出る。自分の不注意を責めるのではなく、「どこが忘れやすくしているのか」を探すとしたら、どう変えれば、それが起きない、あるいは忘れられないようにできますか?
第5部 ウェーハができあがったあと
ウェーハが工場を出たあと、チップをどうテストしてパッケージに収め、何年も使えることをどう確かめて弱いものを取り除き、どう梱包・出荷して回路基板にはんだ付けし、手もとの製品に組みこむのか。
第21回パッケージングとテスト
できあがったウェーハは、まだ使えるチップではありません。テストし、切り分け、配線し、パッケージに封じてもう一度テストして、ようやく製品に組み込めます。
わかること
- パッケージがする3つの仕事(チップを守る、接点を外につなぐ、熱を逃がす)を説明できる。
- ウェーハテスト(CP)とファイナルテスト(FT)がそれぞれいつ行われ、何を見つけるのかを区別できる。
- ワイヤボンディングとフリップチップのつなぎ方の違いを知り、BGAやQFNといったパッケージの名前が何を表しているかがわかる。
- 必読パッケージングとは? できあがったチップをさらに包む理由チップはどうテストする? ウェーハテスト(CP)とファイナルテスト(FT)の違いワイヤボンディングとは? チップはどうやって外とつながる?
- 関連チップのパッケージにはどんな形がある? BGA、QFNという名前の意味プローブカードとは? ウェーハ上のチップ1個1個に、どう電気を通してテストする?フリップチップとは? チップをはんだのバンプで外とつなぐしくみOSATとは? 後工程工場では何をしている?SiPとは? チップと小さな部品を、1つの小さなモジュールに
- 見るウェーハプローバ · ワイヤボンダ · モールド装置 · ファイナルテスト
- 遊ぶ第11章「ボールが浮いた」から:ワイヤのプル試験で2本の値が低い
考える
- テストを増やすほど信頼性は上がりますが、費用も時間もかかります。補聴器のチップを担当するとしたら、どこまでテストするかをどう決めますか?
- なぜパッケージングとテストを専門にする会社があるのでしょう? なぜ全部を半導体工場に任せないのでしょう?
第22回信頼性、出荷、製品に組み込むまで
テストが問うのはチップが「いま良品か」だけですが、チップは製品の中で何年も使われます。この回では、何年も先のことを数週間で知る方法、生まれつき弱いチップの取り除き方、そしてチップがどう梱包・出荷され、回路基板にはんだ付けされて手もとの製品に入るのかを見ます。
わかること
- 信頼性試験が何を問うのか、加速した条件で数週間のうちに何年分を見積もる方法、よく行われる試験がそれぞれ何を調べるのかを言える。
- バスタブ曲線を読み、信頼性試験(抜き取り)とバーンイン(全数)を区別でき、歩留まりがとくに悪いロットになぜ注意が要るのかを知る。
- チップをどうテーピングするか、湿気に弱いものになぜ防湿梱包が要るのか、組立工場が表面実装(SMT)でどう回路基板にはんだ付けするのかを言える。
- 必読信頼性試験とは? 何年も使うチップを、どうやって数週間で確かめる?チップはどうやって出荷される?テーピング、防湿梱包と湿度感度レベルチップはどうやって基板にはんだ付けされる? 表面実装(SMT)とリフロー
- 関連バーンインとは? チップを出荷前に「焼く」のはなぜ?
- 見る信頼性試験のオーブン · 部品実装ライン
- 遊ぶ第12章「出荷前夜」から:先に抜き取りで2日間初期故障を調べるか、明日予定どおり出荷するかを決め、出荷エリアで最後の防湿梱包を確かめる
考える
- 出荷は明日の朝です。信頼性試験室は、数百個を抜き取って高温で電気を流し、2日間動かして初期故障を調べられると言いますが、そうするとロット全体の出荷が1週間遅れます。あなたが決めるとしたら、先に何を知りたいですか? まず誰と話しますか?
- 防湿袋の外の警告ラベルは、レベル、封をした日付、開封後いつまでにはんだ付けを終えるか、という数欄の文字にすぎません。組立工場で部品を機械にセットする担当だとしたら、どの袋もそのとおりに扱われるようにするには、どうしますか? 1欄抜けていたら、誰が、いつ困ることになるでしょう?
第6部 人と協力
工場にはどんな人がいて、どう交代で働くのか。新しいチップが開発から量産へ進むとき、だれがどの順番で引き継ぐのか。
第23回工場で働く人たち:分担、交代勤務、キャリア
半導体工場は機械だけではありません。この回では、どんな部署があり、誰と誰が毎日話し、問題が起きたら誰が先に何をするのかを見て、さらにどんな職種があるのか、交代勤務や呼び出し待機とはどういうものかを見ます。
わかること
- 製造部、プロセス、装置、プロセスインテグレーション、品質保証、生産管理、ファシリティがそれぞれ何を見ているか、そしてなぜどの部署も毎日いくつもの部署と話すのかを言える。
- 問題が起きたとき、誰がロットを止め、誰が原因を調べ、誰が1枚ずつ判定し、誰がルールどおりかを確かめ、誰が組み直すかを言え、プロセスエンジニアと装置エンジニアの分担も区別できる。
- 交代勤務、呼び出し待機、労働時間を公開情報から見て、仕事そのものの性質と、会社によって違う部分を分けて考える。
- 必読半導体工場にはどんな部署がある? 誰と誰が毎日話している?半導体業界にはどんな職種がある? 設計、半導体工場、後工程の仕事の種類プロセスエンジニアと装置エンジニアはどう違う?半導体工場の仕事はきつい?交代勤務、オンコール、働く時間
- 関連オペレーター(技術員)とエンジニアはどう違う?半導体工場にはどの学部・学科から入る? それぞれ工場で何をする?半導体工場の装置エンジニアは何をしている?半導体工場の製造部は何をしている? ロットの順番はどう決める?半導体工場の品質保証(QA)は何をしている?半導体工場のファシリティエンジニアは何をしている?PEはプロセスエンジニア? それとも製品エンジニア?
- 遊ぶ1つの職種で1シフト遊んだら、別の職種で同じシフトを遊んで比べる
考える
- 真夜中に装置が故障しました。誰を起こすべきでしょう? 人を起こすことの代償と、起こさないことの代償はそれぞれ何ですか?
- 同じ瞬間、たとえば装置が止まったその時、プロセス、装置、製造部はそれぞれ何を心配しているでしょう? いちばんやりたい職種、いちばんやりたくない職種はどれですか? それはなぜですか?
第24回開発から量産へ:誰が先で、どう引き継ぐか
新しいチップが半導体工場で初めてつくられてから、安定して大量に出荷できるようになるまでには、設計、半導体工場、テスト、信頼性、顧客、量産工場といくつもの区間を通ります。これを新製品導入(NPI)といいます。新しい世代のプロセスや、新しい工程を足すチップは、まず開発ラインでつくって安定させることもよくあります。区間ごとに引き継ぐ人が変わり、引き継ぎがはっきりしているかどうかで、あとの人がうまく仕事をできるかが決まります。
わかること
- 新製品導入(NPI)で、テープアウト、試作、改版、信頼性試験、顧客の確認から量産への引き渡しまで、各段階を誰が引き継ぐか、そして開発ラインと量産工場がそれぞれ何を問うのかを言える。
- 技術移管で何を渡すかを知る。標準プロセス(POR)、規格、作業手順書、研修、信頼性のデータ。
- 量産が始まってから、生産管理、製造部、装置、プロセス、プロセスインテグレーションがどう分担し、トラブルのときに話がどう順に伝わっていくかを知る。
- 必読開発ラインと量産工場は何が違う?開発インテグレーションエンジニアは何をする? 新しいチップの最初のロットはどう進める?新製品導入(NPI)とは? 新しいチップの試作から量産まで、どこで誰が引き継ぐのか
- 関連半導体工場の生産管理は何をしている? 納期はどう決める?後工程工場の顧客窓口は何をしている?
- 遊ぶ第5章「最後の空欄」から:明日量産工場に渡す標準プロセスに、警報の上限が1つだけ残っている
考える
- 信頼性試験がまだ終わっていないのに、お客さんは量産工場で先に投入したいと言います(リスク投入)。合格すればお客さんは早くチップを受け取れますが、不合格なら先に投入したロットはまるごとスクラップになるかもしれません。あなたなら、両方の代償をお客さんにどう説明しますか?
- 作業手順書は、開発ラインで学んだことのない人が読むかもしれません。そのとおりにやって間違えないためには、どこまで書けばよいと思いますか? 書いただけでは伝わらないことは何でしょう?
第7部 これから
トランジスタはまだどこまで小さくなるのか、そして縮小と並んで進むいくつもの道。トランジスタの形を変える、電源配線をウェーハの裏へ移す、上に積む、先端パッケージングで複数のチップを組み合わせる、ほかの半導体材料を使う、光でデータを送る。そのいくつかは「メモリの壁」(計算は速いのに、データが届かない)と関係があります。最後に、ニュースのチップの話をどう読むのか。
第25回トランジスタはどこまで小さくなる?「何ナノ」の移り変わり
ニュースには毎日のように「2ナノ」「3ナノ」が出てきます。この数字がどこから来たのか、なぜ小さくするほど難しくなるのか、トランジスタがなぜ形を変え続けてきたのかがわかれば、チップがこれからどこへ向かうのかが見えてきます。
わかること
- ナノメートルがどれくらい小さいかを知り、「2ナノ」のような名前は製造世代の名前で、チップ上の何かの長さではないことを知る。
- ムーアの法則が何を言っているのか、小さくするのがなぜどんどん難しくなるのか(原子に近づく、リークと発熱、配線が遅くなる、高くなる)を説明できる。
- トランジスタがなぜ平らな形から立てたフィン(FinFET)になり、さらに四方を包む形(GAA)になったのか、そして電源配線がなぜウェーハの裏へ移り始めたのかを説明できる。
- 必読ムーアの法則とは? なぜ減速していると言われるのかFinFETとGAAとは? トランジスタが平らな形から立ち上がり、さらに四方を包む形になった理由ニュースの「2ナノ」、いったい何が2ナノなのか?
- 関連裏面電源供給とは? チップの電源配線を、なぜウェーハの裏側に移すのか
- 遊ぶリソグラフィのプロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:露光装置が焼き付ける各層を守る
考える
- 新しい世代では、同じ仕事を少ない電力で、または同じ電力で少し速くできることが多いのですが、つくるのは難しく、高くなります。ボタン電池1つで動くチップをつくるとしたら、最新の世代を選びますか? 決める前に、どんなことを確かめますか?
- プロセスの名前はとっくに実際の寸法ではなくなったのに、今もおおむね「×0.7」でつけられています(あいだに半世代の名前もはさまります)。この名前のつけ方の良いところは何でしょう? どんな誤解を生みやすいでしょう? あなたが名前をつけるなら、どうしますか?
第26回先端パッケージと新しい材料:縮めるだけではない
プロセッサの計算はどんどん速くなるのに、メモリからデータを送る速さが追いつかず、この「メモリの壁」のせいでAIチップはよく止まって待つことになります。メモリを積み重ねてプロセッサのすぐとなりに置く、チップを1つのパッケージにまとめる、遠い道のりは光で送る。どれもこの壁と関係があります。材料を変える道も加えて、この道筋がわかれば、ニュースに次々出てくる新しい言葉がつながります。
わかること
- メモリの壁とは何か、つまりプロセッサがなぜよく止まってデータを待つのか、データを運ぶほうがなぜ計算より電気を使うのか、そしてなぜAIがいちばん強くぶつかるのかを説明できる。
- キャッシュ、HBM、チップレット、2.5D、3Dがそれぞれ何をしているかを説明でき、これらの道はいっしょに使えること、どれにも代償があることを知る。
- ワイドバンドギャップの材料とシリコンフォトニクスがそれぞれどんな問題を解くのかを区別でき、どちらもシリコンや銅線を全部置き換える話ではないことを知る。
- 必読メモリの壁とは? チップの計算は速いのに、データが追いつかない理由ニュースの「先端パッケージ」とは? チップを横に並べたり積み重ねたりする理由ニュースの「HBM」とは? AIが特別なメモリを必要とする理由
- 関連ニュースの「ワイドバンドギャップ半導体」とは? SiCとGaNをやさしくニュースの「シリコンフォトニクス」とは? 電気の代わりに光でデータを送る理由
- 遊ぶ第11章「ボールが浮いた」から:シューフイと組立ラインを歩き、チップが抵抗やコンデンサといっしょに小さなモジュールに収まるのを見る
考える
- 大きなチップをチップレットに分ければ、歩留まりがよくなるかもしれず、お金もいちばん必要なところに使えます。でも、つなぐための場所が余分に要り、パッケージングも難しくなり、中の1個が不良なら1組まるごとむだになります。あなたなら、どんなチップなら分ける価値があると考えますか? どんなチップなら1個のままにしますか?
- メモリの壁に対しては、キャッシュを増やす、HBMをもっと並べる、といった道があり、メモリの中で計算する研究も進んでいます。どの道にも代償があります。AIで質問に答えるだけの機械をつくるとしたら、まずどの道にお金をかけますか? 決める前に、何を知りたいですか?
第27回チップのニュースを読み解く
ニュースの「成熟プロセスが不足」「AIチップ」「大きなブレークスルー」も、ここまでに学んだことで読み解けますし、どこで話が飛んでいるのかも見えてきます。
わかること
- 成熟プロセスと先端プロセスの違い、古い世代のつくり方がなぜ今も大事で安いのか、そしてなぜ不足と供給過剰が交互に来るのかを説明できる。
- AIチップがなぜ単純な計算ユニットをたくさん並べるのかを説明でき、学習用と推論用のチップの違いを知る。
- ニュースの「研究でできた」「量産が始まった」「広く使われている」を区別でき、新しい技術が論文から量産まで10年以上かかることが多いのはなぜかを説明できる。
- 必読ニュースの「成熟プロセス」とは? 何世代も前のチップが、なぜ今も大事なのかニュースの「AIチップ」とは? ふつうのプロセッサとどう違うのか新しい技術は、論文から量産まで何年かかる? チップのニュースの「ブレークスルー」を読む
- 関連ニュースの「車載半導体」とは? ふつうのチップと何が違うのか
- 遊ぶ開発ラインの炉の開発プロセスエンジニアとして1シフト遊ぶ:ゲームの補聴器用チップ「Glowmere」は最新の世代でつくるものではないが、炉の条件は開発ラインで決めていく
考える
- 最近のチップのニュースを1つ選び、家族に3つのやさしい文で説明してみましょう。この講座で学んだ言葉はどれですか? そこに書かれていることは、研究でできた段階、量産が始まった段階、広く使われている段階のどれでしょう? 大げさ、またはわかりにくいと感じた言い方はありますか?
- 車、スマホ、AIサーバーは、それぞれどんなチップを必要とするでしょう? ラインを1本だけ増やせるとしたら、どれのために増やしますか? それはなぜですか?
おすすめの課題(自由記述、正解はありません)
- チップの一生:設計から製品に組み込まれるまでの流れ図を描き、いちばん失敗が起きやすいと思う3か所と、そこでの問題がふつうどの工程で見つかるかを書き込みます。
- 引き継ぎメモ:1シフト遊んだら、次のシフトへの引き継ぎメモを書きます。何が起きたか、何を決めたか、何が未解決か。クラスメートと交換して、相手が引き継げるか確かめます。
- ニュースをやさしい言葉に:チップのニュースを1つ選び、学んだことのない人に向けて3つのやさしい文に書き直し、元の記事で大げさ、またはわかりにくいと感じたところに印をつけます。
- 同じ瞬間、違う人:グループの全員が別の職種で同じシフトを遊び、装置が止まった瞬間に各職種が何を見て、何を恐れたかを比べ、1ページにまとめます。
- 簡略化を見つける:必読記事から1か所を選び、教科書や大学の講義資料と比べて、記事がどこを簡略化しているか、その簡略化が妥当かを書きます。
レベルと正確さ
物理や化学の予備知識は要りません。中学校の理科程度で十分です。目標は流れ、分担、トレードオフを理解することで、装置の操作を覚えることではありません。
記事は、公開されている教科書、業界の標準、大学の講義資料、論文をもとに書き、書いたあとに別途確認しています。読みやすくするために簡略化しているところもあります。たとえば数式の代わりにたとえを使い、数字の多くに「およそ」をつけています。さらに学ぶなら、「半導体デバイス」(なぜ動くのか)と「半導体製造プロセス」(どうつくるのか)の2種類の教科書と組み合わせてください。誤りを見つけたら、各記事の最後にある「誤りを見つけたら報告」から知らせてください。
ゲームに出てくる会社、人物、装置の番号、ロット番号、数字は架空のもので、特定の会社の実際のやり方を表すものではなく、操作の訓練にも使えません。本当なのは仕事のかたちです。交代勤務、引き継ぎ、工程間の待ち時間の上限、テストラン、異常時に手順どおりに対処すること。
引用と授業での利用
この講座の目次、記事、装置の動画と画像、ワークシートは、授業や非営利の目的なら無料で使えます。投影、プリントへの掲載、生徒への配布もかまいません。fab24hrと明記してください。販売することや、自分の作品として使うことはできません。
引用の例:「半導体入門講座:チップの一生をたどる」fab24hr、2026年10月。https://fab24hr.com/ja/learn/
1コマの授業でゲームを使うなら、授業でfab24hrを遊ぶに20分、40分、50分の流れがあります。ワークシートはそのまま印刷でき、半導体工場の装置を、分解して見るには31台すべての装置へのリンクとQRコードがあります。
よくある質問
正式な講座ですか? 費用や登録は必要ですか?
費用も登録も不要です。これは無料の講座の目次で、各回からこのサイトのやさしい記事と、ブラウザで遊べる半導体工場のゲームにつながっていて、工場やパッケージングとテストの回の多くからは、分解して見られる3D装置にもつながっています。試験も修了証もなく、先生は授業に合わせて順番や分量を変えられます。
理系の知識がなくてもわかりますか?
わかります。記事はまったくの初心者向けに書かれていて、専門用語にはやさしい説明があり、中学校の理科程度で十分です。目標は流れ、分担、トレードオフを理解することです。さらに学ぶなら、半導体デバイスと半導体製造プロセスの教科書を組み合わせてください。
ほかの言語版はありますか?
あります。この講座の目次、記事、ゲームには繁体字中国語、英語、日本語の版があります。英語版は fab24hr.com/en/learn/、中国語版は fab24hr.com/learn/ です。
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