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パッケージとテスト約7分

チップはどうテストする? ウェーハテスト(CP)とファイナルテスト(FT)の違い

チップはできあがったあと、ふつう2回テストします。1回目は、まだ切り分ける前のウェーハの上で行うもので、ウェーハテスト(プローブテスト、CPとも)と呼びます。2回目は、1個ずつパッケージに入れたあとに行うもので、ファイナルテスト(最終検査、FTとも)と呼びます。ウェーハテストは、不良を先に取り除いて、パッケージにお金をかけないため。ファイナルテストは、組み上がった品がまだ良品かを確かめてから出荷するためです。

なぜ1個残らずテストするのか

1枚のウェーハは工場で数百の工程を通り、どの工程でも少しずつチップがだめになることがあります。だから、どのウェーハにも不良がいくらか混じります。なぜ100%にならないのかは、ニュースの「歩留まり」とは?の記事に書きました。

困るのは、不良が見た目ではわからないことです。1個のチップには、小さなスイッチが数千万個から100億個以上も入っていることがよくあります。どれが動かないのかは、顕微鏡で見るだけではわかりません。確かめる方法はひとつだけ。電気を流して仕事をさせ、答えが合っているかを見ることです。

だからチップのテストは抜き取りではなく、1個残らず受ける試験です。クラスの何人かを選んで試験するのではなく、全員が受けるのと同じです。

ウェーハテスト(CP)は、どうやって測る?

できあがったウェーハは、後工程工場やテスト専門の工場に送られることがよくあります。テストの装置は2つに分かれます。電気と信号を送り、結果を読み取るのがテスター。ウェーハを平らに置き、位置を合わせ、1チップずつ送っていくのがプローバです。

そのあいだをつなぐのがプローブカードです。1枚の板にとても細い針がたくさん並び、その位置がちょうどチップの接点に合わせてあります。接点はチップの表面にある小さな金属の部分で、チップはここを通して外から電気を受け、信号をやりとりします。針が触れると、テスターがそのチップと「会話」できるようになります。1個終わると、プローバがウェーハを次のチップへ送ります。多くのプローブカードは、時間を節約するために一度に何個かのチップに触れます。

針は何度も当てるうちにすり減り、くずがつきます。針先が汚れると接触が悪くなり、良品まで不良と測られてしまうので、定期的に針をクリーニングします。

なぜ切り分ける前にテストするのか

お金を節約するためです。パッケージには材料も、装置の時間も、人手もかかります。不良のチップまでパッケージに入れたら、それがまるごとむだになります。

テストが終わると、チップは結果ごとに分けられます。良品でひとつ、不良は壊れ方ごとにひとつずつ。この分類をビンといいます。結果は位置どおりに描いてウェーハマップにします。昔は不良のチップにインクで印をつけていましたが、今はたいていデータのマップとして残すだけです。ウェーハを切り分けたあと、ダイボンドの装置がそのマップに従って、良品だけを拾ってパッケージに回します。

ウェーハマップは、原因を探す手がかりにもなります。不良が外周のリングや、きれいなマス目の形に並んでいれば、どの工程がおかしかったのかがわかることがよくあります。

ウェーハ工場では、出荷の前にWATという測定も行います。ウェーハテストとよく混同されますが、WATはチップとチップのあいだにある測定専用の小さな構造を測り、そのロットが正しくできたかを見るものです。ウェーハテストは、1個1個のチップそのものをテストします。

パッケージのあと、なぜもう一度テストするのか

組立でもチップが壊れることがあるからです。ウェーハを切り分け、チップを基板に貼り、細いワイヤを1本ずつつなぎ、最後にプラスチックで封止します(それぞれの工程は「パッケージングとは?」へ)。切るときに角が欠けたり、ワイヤがしっかりつかなかったり、流れ込むプラスチックにワイヤが押し流されて触れ合ったりすることがあります。パッケージに入れてから特性が変わることもあります。

それに、パッケージに入れてからでないと測れない項目もあります。いちばんわかりやすいのは、パッケージの端子、裏のはんだボール、中のワイヤです。ウェーハの段階では、まだどれもありません。チップを小さな部品といっしょに1つのモジュールに組む製品なら、組み上がってはじめてモジュール全体をテストできます。

ファイナルテストでは、ハンドラという機械を使います。パッケージ済みのチップを拾ってソケットに置き、端子をつないで測り、終わったら結果に応じて別々のトレイに分けます。時間を節約するため、何個かを同時に置いて、いっしょに測ることも多いです。

ウェーハの段階では、すべての項目をパッケージ後と同じくらい細かく測れるとは限りません。どの項目をウェーハテストで先に測り、どれをファイナルテストに回すかは、テストの時間、費用、歩留まりのかね合いで決めます。

実際には何を測っているのか

項目はたくさんありますが、やさしくいえば、だいたい次のようなものです。

  • つながっているか:接点や端子が1つ残らずつながっているか、どこか2本が触れ合っていないか。
  • 動くか:設計どおりの入力を入れて、出てきた結果が正しい答えと同じか。
  • 速さは足りるか:決められた速さで動かしても、正しく計算できるか。製品によっては、どこまで速く動くかで等級を分けます。速いものはあるビンへ、少し遅いものは別のビンへ。
  • 待機中にどれだけ漏れるか:チップが「切れている」ときでも、少しだけ電流がリークします(漏れます)。多すぎると、スマートフォンや補聴器のように電池で動くものは長くもちません。
  • 熱くても冷たくても大丈夫か:チップのふるまいは温度で変わります。製品によっては、熱いときと冷たいときに1回ずつ測り、どちらでも規格に収まるかを確かめます。

こうした問題は、テストプログラムに書かれています。いわば試験の問題用紙です。1問ずつ何を調べるか、何点なら合格か。合格ライン、つまり上限と下限をどこに置くかはトレードオフで、厳しすぎれば良品まではじかれ、緩すぎれば不良品がお客さまに届きます。

CPとFT、表でひと目で

ウェーハテスト(CP)ファイナルテスト(FT)
いつウェーハができたあと、切り分ける前パッケージのあと、出荷の前
何を測るウェーハの上の、まだ包んでいないチップパッケージ済みのチップやモジュール
どうつなぐプローブカードの針を接点に当てるソケットで端子やはんだボールにつなぐ
目的組立にお金をかける前に不良を除く組み上がった品がまだ良品かを確かめる
終わったらウェーハマップに。良品だけ組立へビンごとにトレイへ。良品だけ出荷

テストが問うのは「今、良品か」です。「しばらく使っても壊れないか」は信頼性という別の分野で、たとえば高温で電気を流したまましばらく動かし、初期故障(使いはじめてすぐの故障)がどれだけあるかを見ます。これはまた別の記事で書きます。

fab24hrでは

fab24hrのメインストーリー「チップの一生」では、架空の補聴器用チップ「Glowmere」が何回かテストされます。第3章の舞台は開発ラインです。最初のウェーハがウェーハテストを終え、3枚のウェーハマップにあるおかしな形が、それぞれ何を指しているのかを読み解きます。第10章の舞台は後工程工場で、あなたはテストエンジニアです。まずビンの中でいちばん多い不良を見つけ、待機電流の上限をどこに引くかを決めて、テストプログラムに書き込みます。

「工場の一日」では「役割を変える」で「後工程工場」のテストエンジニアを選ぶと、4つのシフトはすべてウェーハテストエリアが舞台です。深夜は、プローブカードの針の1組が汚れていて、同じ位置でずっと良品が不良と測られてしまいます。朝は第10章のシフトです。午後は、上限には収まっているのに、まわりより一段高いチップが何個かあり、別にはじくかどうかを決めます。夜は、2台のテスターの数字が合わず、答えがわかっているウェーハで確かめます。ファイナルテストは同じ後工程工場の別のエリアにあり、顧客窓口の午後のシフトでは、ハンドラが詰まったときにどのビンにも入らなかった12個を探しに行きます。

ゲームの後工程工場、チップ、人物、数字は架空のものです。テストが何をしているのか、なぜ2回テストするのかは、公開されている一般的な資料をもとに書いています。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかメインストーリー「チップの一生」の第3章では、開発ラインの最初のウェーハがウェーハテストを終え、ウェーハマップを読み解きます。第10章では後工程工場のテストエンジニアとして、ビンを見て、待機電流の上限をテストプログラムに書き込みます。「工場の一日」では、テストエンジニアの4つのシフトはすべてウェーハテストエリアが舞台です。

fab24hrのテストエンジニアは、一日じゅうプローバとビンの画面のあいだを行き来します。プローブカードの汚れ、数字の合わない2台のテスター、上限をどこに引くか。決めるのはあなたです。

テストエンジニアで遊び、1個1個のチップのテストを見守る

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