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チップのつくり方約7分

半導体工場は、工程がうまくいったかをどう確かめる? 計測と検査の違い

半導体工場は、2つの確認で工程がうまくいったかを知ります。計測と検査です。大事な工程が終わるたびに、一部のウェーハを取り出して確かめます。計測が問うのは「どれだけ」。膜の厚さ、線の幅(線幅)、この層が下の層とどれだけずれずに重なっているか(重ね合わせ)です。検査が問うのは「何かおかしなところはないか」。ウェーハ全体を走査して、余計なパーティクルや傷、欠けたり切れたりしたパターンを探します。英語ではmetrology、inspectionと呼びます。測った数字はグラフに記録され、ずれれば誰かが原因を探しに行きます。

なぜ途中で確かめるの?

ウェーハは工場の中で何百もの工程を何週間もかけて進み、最後にようやく電気を流して、チップが動くかを試せます。そのときになって50工程目で失敗していたとわかったら、何週間分もの作業が無駄になり、同じ装置を通ったほかのウェーハもまとめてだめになっているかもしれません。

だから半導体工場は、ビルを建てるのに似ています。1階ごとに検査してから次の階へ進み、建て終わってから3階の柱が曲がっていたと気づく、ということがないようにします。早く見つけるほど、だめになるチップは少なく、歩留まりも上がります(「ニュースの「歩留まり」とは?」へ)。

まだ間に合う失敗もあります。リソグラフィでずれて焼き付けても、エッチングの前ならレジストをはがして焼き直せます。削ってしまったら、もう戻せません。だからリソグラフィ直後の計測は、とくに大事です。

計測と検査はどう違う?

計測検査
問いどれだけ?おかしなところはないか?
わかること数字:厚さ、幅、ずれの大きさあやしい点がどこに、いくつあるか
見方決めた数か所を正確に測るウェーハ全体を走査し、あってはならないものを探す
たとえると定規で測る1ページまるごと誤字を探す

2つはたいてい一緒に使います。厚さはぴったりでも、ほこりが3つ載っていることもあります。両方そろって、はじめてよいチップになります。

膜の厚さはどう測る? 光で

透明な膜に光を当てると、一部は膜の表面で反射し、一部は中に入って膜の底で反射して戻ってきます。2つの光が重なると、強め合う色と打ち消し合う色が出ます。シャボン玉や水に浮いた油が虹色に見えるのも同じしくみで、色は膜の厚さで変わります。

測定装置は、それぞれの色がどれだけ戻ってきたかを記録し、モデルを使って逆算します。どれだけの厚さなら、こう反射するのか。もうひとつは、光を斜めに当て、反射したあと光の「振動の向き」がどう変わったかを見る方法で、エリプソメトリー(偏光解析)と呼ばれます。とても薄い膜でも測れます。どちらもウェーハに触れません。

金属は光を通さないので、かわりに電気の通りやすさ(シート抵抗)を測ることがよくあります。1枚のウェーハでたくさんの点を測り、中心と端で厚さがそろっているかを見ます。膜のつけ方は「成膜とは?」へ。

線幅はどう測る? 電子顕微鏡で

いちばん細い線は、幅が数十ナノメートルか、それよりも細いくらいです。目に見える光の波長は約400〜700ナノメートルで、ふつうの光学顕微鏡では、だいたい200ナノメートルより小さいものは見分けられません。電子の波長はずっと短いので、線幅はたいてい電子顕微鏡で測ります。

測定装置はウェーハの真上から線の写真を撮り、画像から線の両端の位置を見つけて、幅を割り出します。業界ではこの数字をCD(クリティカルディメンジョン)とよく呼びます。レジストを撮るときは電子のエネルギーを低くして、表面に電気がたまって像がゆがむのを防ぎます。

重ね合わせはどう測る?

重ね合わせがなぜ大事かは「フォトリソグラフィとは?」にあります。測り方は単純です。チップとチップのあいだのスクライブラインに、層ごとに専用のマークを残しておきます。たとえば、下の層に大きな四角を、この層にはその内側に小さな四角を焼きます。光学顕微鏡で撮って、小さな四角がちょうど真ん中にあるか、どれだけ、どちらへずれているかを見ます。ずれは露光装置に渡され、次のロットで補正されます。

欠陥はどう見つける? となりのチップと比べる

パターンのないウェーハは表面が平らなので、いちばん簡単です。レーザーでなぞると、光がパーティクルに当たって横へ散り、検出器がきらっと光るのをとらえます。それが1個です。部屋に差しこんだ日の光で、ふだん見えないほこりが浮かび上がるのと同じです。クリーンルームがパーティクルをどう減らしているかは「クリーンルームはどれくらいきれい?」へ。

パターンのあるウェーハは難しくなります。表面がもともと線だらけだからです。でも、1枚のウェーハに並ぶチップは、どれもまったく同じパターンです。そこで装置は、あるチップの画像をとなりのチップの画像に重ねて引き算します。同じところは消え、残った違いが欠陥の候補です。「まちがい探し」に似ていて、2枚の絵を並べれば、違うところがぱっと目に入ります。

この方法には死角があります。すべてのチップの同じ位置に同じ問題があると(フォトマスクの汚れでそうなることがあります)、引き算でそれも消えてしまいます。こうした欠陥は、設計データと比べたり、フォトマスクそのものを検査したりして見つけます。

光学式の検査は速く走査できますが、その点が何なのかまでははっきり見えません。そこで、あやしい位置がわかったら、電子顕微鏡でその座標を拡大して撮り、パーティクルか、傷か、2本の線がくっついたのかを1つずつ分類します。

なぜ全部のウェーハを測らないの?

計測でウェーハがよくなるわけではなく、確かめるだけです。測るたびに時間がかかり、測定装置も高価です。すべてのウェーハのすべての点を測れば、ロットが測定装置の前で詰まり、ウェーハができあがるまでの時間も延びてしまいます。

だから多くは抜き取りです。1ロットはたいてい1ケース、最大25枚。その中から数枚を選び、1枚につき数か所を測ります。工程によっては、装置がずっと安定しているとき、ロットごと計測を飛ばすこともあります。

抜き取りにも代償があります。2回の計測のあいだに装置が少しずつずれていくと、その間に処理したウェーハはどれも不良のおそれがあり、1ロットずつ追いかけることになります。だから「多く測って安心」と「少なく測って速く」のあいだで折り合いをつけます。最近装置が不安定なら、測るロットを増やします。

製品のほかに、モニターウェーハもあります。お客さんの製品ではなく、装置を確かめるためだけのウェーハです。決まった間隔で1枚流し、膜の厚さを測ったりパーティクルを数えたりして、装置そのものが変わっていないかを見ます。修理のあとのテストランも同じ考え方です。

測った数字はどう使う?

測ったロットひとつが、管理図の上の1つの点になります。点が管理限界の外に出たり、何点も続けて同じ側に寄ったりすると、異常とみなします。管理限界の外と、製品の規格の外は別のことです(OOC/OOS。違いは用語集にあるので、ここではくり返しません)。

異常が出たら、手を止めて原因を探します。まずそのロットをホールドし、OCAPに沿って1つずつ対応します。測り直すことも多いです。数字が変わったのは、プロセスが変わったからかもしれないし、測定装置のほうがずれたのかもしれないからです。そのため測定装置も、値のわかっている標準ウェーハを定期的に測り、自分がずれていないかを確かめます。原因がプロセスだとわかってから、装置や前の工程を調べます。

fab24hrでは

「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「量産工場」を押して、左右にスワイプしてプロセスエンジニアにし、名前の下の「エッチング」を押すと、エッチングのプロセスエンジニアになります。朝シフトの引き継ぎ表には、誰も対処していない管理図が1枚あります。測定装置MET-01で、エッチング後の線幅が8点続けて中心線の下にあり、1点ごとに低くなっていますが、管理限界を超えた点はまだひとつもありません。メールには判断待ちのOOCが3ロット。午前中にはヤーティンから電話があり、測定室のロットをリリースするか、置いておくかを聞かれます。16:30の検討会のあとは、測定装置に戻ってもう一度見ることもできます。部品を替えたあと、線幅は中心線に戻ったでしょうか。ランダムイベントで、別の装置の膜厚の管理図が上へずれていくこともあります。

リソグラフィと成膜のプロセスエンジニアにも、計測の数字から始まるシフトがあります。ひとつは重ね合わせの規格外、もうひとつはいつもより大きいウェーハの反りです。ゲームの会社、人物、装置番号、数字は架空のものです。計測と検査が何をしていて、どう測るのかは、公開されている一般的な資料をもとに書いています。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかエッチングのプロセスエンジニア(量産工場 › プロセス › エッチング)を遊ぶと、朝シフトの引き継ぎ表に、誰も対処していない管理図が1枚あります。測定装置MET-01で、エッチング後の線幅が8点続けて中心線の同じ側に並んでいます。まだ規格内です。

fab24hrでは、測定装置の点が同じ方向へずれ続けると、誰かが決めなければなりません。このロットを流すか、装置を見るか。

エッチングのプロセスエンジニアで遊び、その管理図を見にいく

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