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チップのつくり方約8分

終点検出とは? エッチングとCMPは、止めどきをどう知るのか

終点検出(エンドポイント検出。英語ではendpoint detection、略してEPD)とは、装置がエッチングや研磨をしながら、1つの信号を見続けることです。いま加工している層が終わって下の層が出てくると、信号が折れ曲がります。装置はその折れ曲がりを見て止まります。エッチング装置は主にプラズマが出す光を、CMP装置はよく、モーターの電流と、ウェーハから返ってくる反射光を見ます。

なぜ、止めどきを知る必要があるの?

エッチングは層を削り取り、CMPは層を磨き取ります。どちらも、ちょうどいいところで止めなければいけません。削り方、磨き方は「エッチングとは?」と「CMPとは?」に書きました。この記事は「止める」ことだけを扱います。

  • 足りない:切り離すべきところが切れていません。たとえば2本の金属配線のあいだに薄い金属が残っていると、2本がつながってしまいます。貫通するはずの穴が抜けていなければ、上の層と下の層がつながりません。
  • やりすぎ:下の層まで削られます。配線が薄くなって抵抗が上がったり、先に作ってあった下のものを傷めたりします。

時間で決めると、なぜ正確でないの?

いちばん簡単なのは時間で決めることです。取り除く厚さを、1分あたりに取れる量で割ります。ところが、この2つの数字がどちらも変わります。

  • ウェーハごとに膜の厚さが違う:前の工程でついた膜は、このウェーハでは少し厚く、あのウェーハでは少し薄い。同じ1枚でも、中心と外周で違います。
  • 装置ごと、日ごとに速さが違う:エッチング装置のチャンバーの壁にはだんだんものが積もり、研磨パッドは使うほどつるつるになります。速さはずっと少しずつ動いています。

エッチング装置は、削り終わったことをどう知るの?

プラズマの光を見る

プラズマは光り、その色は中に何があるかで決まります(「プラズマとは?」)。削られている材料はたたき出されてガスになり、プラズマに混ざって、いくつかの色の光を明るくします。その層が削り終わって下の材料が出てくると、その色の光は暗くなります。逆に、その層を削るのに使われていたガスは余るようになり、そのガスの光が明るくなります。装置はチャンバーの横の小さな窓に分光器(光を色に分け、それぞれの色の明るさを測る装置)をつなぎ、これらの色をずっと見ています。

この方法は、面積が小さいと苦手です。削るところがウェーハのごく一部(たとえば小さな穴がたくさん並ぶだけ)だと、光の変化も小さく、見分けにくくなります。

反射した光を見る

もう1つは、ウェーハに光を当てて、返ってくる光を見る方法です。光が透明な膜に当たると、膜の上の面と下の面でそれぞれ反射し、2つの光が重なって、強め合ったり打ち消し合ったりします。シャボン玉に色がついて見えるのと同じ仕組みです。膜が削られて薄くなるにつれ、反射光は明るくなったり暗くなったりをくり返します。そのくり返しを数えれば、どれだけ削ったかがわかります。膜がなくなると、くり返しも止まります。

終点が出たあと、なぜもう少し削るの?

信号が折れ曲がった瞬間は、ウェーハの一部が先に抜けただけ、ということがよくあります。膜の厚さはどこでも同じではなく、削れる速さもどこでも同じではないからです。そこで、すべての穴が底まで届くよう、もう少し削ります。これがオーバーエッチです。

CMP装置は、磨き終わったことをどう知るの?

CMPでは、ウェーハは表を下にして研磨パッドに押しつけられているので、装置からは見えません。よく使われる信号には、たとえば次の2つがあります。

  • モーターの電流:モーターは、回すのが重いほど電流をたくさん使います。金属を磨き終えて下の絶縁膜が出てくると、摩擦が変わり、電流も折れ曲がります。布でテーブルを拭くとき、ガラスの天板と木の上とでは手ごたえが違うのと似ています。
  • 反射光:研磨定盤に小さな窓があり、下から光がウェーハに当たります。金属と絶縁膜では返ってくる光が違うので、表面の材料が変わると反射光も変わります。

ほかのセンサーも持っていて、いくつかを一緒に見る装置もあります。折れ曲がりを見つけたあとは、散らばった残りをきれいに取るため、設定どおりもう少しだけ磨くことがよくあります。

折れ曲がりが見つからないのは、なぜ?

装置が「折れ曲がった」と判断するよくある方法は、信号が前もって決めた線を越えたかどうかを見ることです。この線をしきい値と呼びます。しきい値が高すぎると小さな折れ曲がりを見逃し、低すぎると少しのノイズで早く止まってしまいます。折れ曲がりが小さくなったり、はっきりしなくなったりする、よくある理由は次のとおりです。

  • 上と下の材料の磨かれ方が似ていて、摩擦がもともとあまり変わらない。
  • 取り除く面積が小さく、信号も小さい。
  • 研磨パッドの状態が変わった。パッドが古くなって表面がつるつるになると、信号が不安定になることがあります。

そもそも折れ曲がりがない場合もあります。上から下まで同じ材料のとき、たとえば酸化膜を平らに、薄く磨くだけのときです。信号はずっと平らなので、測っておいた除去レートから時間を計算して磨くしかありません。だから除去レートは、毎日モニターウェーハで確かめます(「モニターウェーハ、ダミーウェーハとは?」)。

終点検出が反応しないと、どうなる? 順に見る

折れ曲がりが見えないからといって、装置がいつまでも続けることはありません。レシピ(装置が従って動く設定)には、終点のほかに時間の上限も入っていて、安全網の役目をします。

ステップ1:時間の上限で装置が止まり、人を呼ぶ

  • 何をする:時間が来ると装置は止まり、アラームを出して、担当者を呼びます。
  • なぜ:終点が見えないので、装置にはこのウェーハが足りているかどうかがわかりません。
  • しないと:続けるうちに、下の層が削られてなくなります。

ステップ2:このロットを止め、次のロットは入れない

  • 何をする:このロットをホールドします。同じ装置の後ろに並んでいるロットは、別の装置に回すか、待たせます。
  • なぜ:信号の問題なのか、装置の問題なのか、まだわからないからです。
  • しないと:次のロットが入っても、また終点が出ないかもしれません。ホールドのあとの判断は「ホールドとは?」へ。

ステップ3:このロットを測る

  • 何をする:残った膜の厚さと、表面に取り残しがないかを測ります(「半導体工場は、工程がうまくいったかをどう確かめる?」)。
  • なぜ:上限まで動いたということは、やりすぎ(速さはふつうで、信号を見逃しただけ)かもしれないし、足りない(速さが落ちて、終わる前に時間が来た)かもしれないからです。
  • しないと:判定が当て推量になります。

ステップ4:1枚ずつ判定する

  • 何をする:規格内のものは流します。足りないものは、もう一度磨いたり削ったりできることがあります(リワーク)。やりすぎたものは戻せないので、使えなければスクラップです。これをウェーハ判定といいます。
  • なぜ:同じロットでも、1枚ずつ状態が違うかもしれないからです。
  • しないと:甘く判定すれば悪いものが先へ進み、厳しすぎればよいものまで捨てます。どの工程がやり直せるかは「リワークとは?」へ。

ステップ5:終点検出が反応しなかった理由を調べる

  • 何をする:その区間の信号の曲線を呼び出し、ひとつずつ調べます。信号そのものが小さくなっていないか。センサー、窓、配線は壊れていないか。研磨パッド、前の工程の膜厚、しきい値が変わっていないか。
  • なぜ:原因が見つからないうちは、次のロットも同じことになるからです。
  • しないと:時間だけで乗り切ろうとしても、速さが変わっている最中なので、時間も合わせられません。止める条件を変えるのはレシピを変えることなので、決まりどおり責任者の承認が要ります(「半導体工場の変更管理とは?」)。直したあとも、まずテストランをして、通ってからロットを入れます。

fab24hrでは

「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「量産工場」を押し、左右にスワイプして装置エンジニアで止め、名前の下の「CMP」を押すと、CMP装置エンジニア(Beta表示)になります。4つのシフトのどれになるかは、開いた時刻で決まります。深夜シフト「壊れていないセンサー」。午前2時半すぎ、自宅でオンコールのあなたに、夜勤のダーから電話が来ます。CMP-02の終点検出がずっと反応せず、どのウェーハも時間の上限まで走って止まった。C-4102の25枚は、まだ装置の中で水に浸かっています。続いて記録を見ると、モーター電流と反射光の2本の線は、どちらも折れ曲がりがありません。なのにセンサーの自己診断は合格で、研磨パッドの処理枚数は、決めた枚数をかなり超えています。次のロットC-4103を時間だけで磨くかどうかは、CMPプロセスのピンユーが決めます。あなたは、装置がもつかどうかを彼女に伝えます。

化学機械研磨を直接開くこともできます。研磨定盤の小さな窓が、反射光を見るところです。

ゲームの会社、人物、装置番号、ロット番号、数字は架空のものです。終点検出とは何か、どう読むか、反応しないときどうするかは、公開されている一般的な資料をもとに書いています。実際のやり方は工場ごとに違います。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかCMP装置エンジニア(量産工場 › 装置 › CMP)の深夜シフト、午前2時半すぎに電話が鳴ります。CMP-02の終点検出が反応せず、装置は時間の上限まで走って止まった。C-4102の25枚は、まだ装置の中で水に浸かっています。

fab24hrでは、午前2時半に終点検出が反応しません。センサーが壊れたのか、磨いている表面のほうが変わったのか。曲線から読み取るのはあなたです。

CMP装置エンジニアで遊び、終点検出が反応しなかった理由を探す

先生へ:この記事は「授業でfab24hrを遊ぶ」と組み合わせて授業で使えます。

この記事を引用する「終点検出とは? エッチングとCMPは、止めどきをどう知るのか」fab24hr、更新。https://fab24hr.com/ja/blog/endpoint-detection/
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