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パッケージとテスト約8分

チップのパッケージにはどんな形がある? BGA、QFNという名前の意味

チップのパッケージの「形」は、おもに2つのことで決まります。端子がどこから出ているか、そして回路基板にどうはんだ付けするかです。この2つで分けると、よくあるパッケージはおおまかに5種類になります。回路基板の穴に差し込むもの、2辺か4辺から細いリードが出ているもの、リードがなく底に金属のパッドだけがあるもの、底一面にはんだボールが並ぶもの、そしてチップとほぼ同じ大きさのものです。DIP、QFN、BGAといった名前は、こうした形を表しています。

チップをなぜ包む必要があるのかは、まず「パッケージングとは?」へ。

パッケージの種類は、何で分ける?

パッケージに入ったチップには、2層のつなぎ方があります。内側の層は、チップとパッケージをつなぎます。外側の層は、パッケージと回路基板をつなぎ、金属のリード、金属のパッド、はんだボールのどれかを使います。この記事は外側の層の話です。回路基板の側から見て、パッケージがどんな形をしているかです。

基板の穴に差し込む:DIP

黒い長方形の小さなかたまりで、長い2辺からリードが1列ずつ出て、下に曲がっています。小さなムカデのようです。リードを回路基板にあけた穴に差し込み、基板の反対側ではんだ付けします。リードとリードの間隔は2.5ミリほどです。

昔の回路基板では、部品の多くがこうして穴に差してからはんだ付けされていました。リードが太くて間隔も広いので手ではんだ付けしやすく、ソケットに差して使うこともでき、交換も簡単です。

いまの新しい製品ではあまり使われません。先に穴をあける必要があり、部品も場所をとり、装置で載せるのにも時間がかかるからです。よく見かけるのは、学校の実験の授業です。はんだのいらないブレッドボードに差して使い、抜けばまた使えます。

2辺か4辺から細いリードが出る:SOP、QFP

このタイプは基板を貫通しません。回路基板の表面にあるはんだ付けの点に平らに載せて、そこではんだ付けします。これを表面実装といいます。リードは側面から出て、いったん下に曲がり、それから外へ平らに伸びます。カモメの翼のような形です。リードが2辺だけにあるのがSOP、4辺すべてにあるのがQFPです。

穴をあけなくていいので、部品を小さく、びっしり並べられます。装置がすばやく載せ、基板全体をまとめて加熱してはんだ付けします(「チップはどうやって基板にはんだ付けされる?」)。いまの電子部品の大半は表面実装です。4辺すべてを使えば、リードはおよそ2倍並べられます。QFPのリードの間隔は1ミリ以下で、いちばん細かいものは0.5ミリ未満、多いものは数百本あります。

リードが外に出ているので、はんだ付けがうまくいったかは拡大鏡で確かめられます。端子の数が少なめから中くらいのチップで、よく使われます。

リードがなく、底に金属のパッドだけ:QFN

小さく平たい四角形で、側面から出ているリードは見当たりません。裏返すと、底の4辺に沿って小さな金属のパッドが並び、そのまま回路基板にはんだ付けされます。真ん中には大きな金属の面がむき出しになっていることが多く、これも基板にはんだ付けして、チップの熱をそこから下へ逃がします。パッドが2辺だけにあるものは、DFNと呼ばれることが多いです。

リードを底にしまい込むので、全体が小さく薄くなり、信号の通り道も短くなります。QFPと同じく金属のリードフレームを骨組みにしていて、コストも低めです。小さな電子機器で、端子の少ないチップによく使われます。

弱点は、はんだ付けした部分が底に隠れることです。手ではんだ付けするのは難しく、うまくついたかも目では見えにくくなります。

底一面にはんだボール:BGA

裏返すと、底一面に小さなはんだボールが碁盤の目のように並んでいます。ボールの間隔は1ミリ前後、細かいものでは0.数ミリで、1個で数百から千を超える接続を持てます。

4辺だけでなく底全体を接続に使えるので、たくさんつなげます。通り道が短く、熱も回路基板に伝わりやすくなります。はんだ付けのときにボールが溶けると、表面張力が、少しずれて置かれたパッケージを真ん中に引き戻すことがよくあります。計算を担うチップやメモリのように、接続の多いチップの多くがBGAを使います。

その代わり、はんだ付けした部分はすべて底に隠れて見えないので、X線などの装置で検査します。また、はんだボールは細いリードのように少したわむことができません。回路基板とパッケージが熱で膨らむ量が違うと、その引っぱり合いがすべてボールにかかります。

チップとほぼ同じ大きさ:CSP

さらに小さくすると、パッケージはチップよりほんの少し大きいだけになります。これをCSP(チップサイズパッケージ)と呼びます。よく使われる定義では、面積がチップのおよそ1.2倍以下です。底にはたいてい、やはりはんだボールが並びます。

さらに進むと、ウェーハを先に切らず、ウェーハ全体の上にそのままはんだボールをつくって、最後に切り分けます。これがウェーハレベルパッケージで、パッケージはチップと同じ大きさになります。

いちばん小さく薄い一方で、ボールはすべてチップ自身の下に収めなければなりません。チップと回路基板は熱による伸び縮みが大きく違い、チップが大きいほど外側のボールが強く引っぱられます。そのため、おもに端子の少ない小さなチップに使われます。

名前の文字は、何を表している?

名前英語やさしく言うと
DIPDual In-line Package2列(dual)の、一直線に並んだ(in-line)リード
SOPSmall Outline Package外形の小さい(small outline)パッケージ
QFPQuad Flat Package4辺(quad)にリードがある、平たい(flat)パッケージ
QFNQuad Flat No-lead4辺、平たい、外に出たリードがない(no lead)
BGABall Grid Arrayボール(ball)を格子(grid)状に並べた配列(array)
CSPChip Scale Packageチップ(chip)とほぼ同じ大きさ(scale)

最後のPはpackage(パッケージ)です。前にもう1文字つくと、たいてい派生版です。たとえばTはthin、より薄いという意味です。同じ形でも、呼び名がいくつもあることがよくあります。

端子が増えると、なぜ底一面へ向かう?

仮の数字で計算してみましょう。1辺2センチの正方形のパッケージです。

  • 4辺にリードを出し、0.5ミリごとに1本:1辺40本、4辺で160本。
  • 底一面にはんだボールを並べ、1ミリごとに1個:20列×20個で400個。

ボールの間隔はリードの2倍も広いのに、数は2.5倍になります。4辺に並ぶ数は辺の長さに比例して増えるだけですが、底に並ぶ数は面積に比例して増えるからです。フリップチップがワイヤボンディングより多くつなげるのも、同じ理由です。

それに、リードはいくらでも細かくできるわけではありません。細く、ぎっしり並ぶほど、はんだ付けのときにとなりどうしがはんだでつながりやすくなり、ショートしてしまいます。だから、端子が少なく安くしたいチップは、4辺にリードがあるものやQFNで足ります。接続が多くなると、BGAに向かいます。

外側の形と、内側のつなぎ方は関係ある?

関係はありますが、決まった組み合わせではありません。よくあるのは、DIP、SOP、QFP、QFNなら金属のリードフレームを骨組みにして、真ん中にチップを貼り、細い線でまわりのリードやパッドにつなぐ組み合わせです(ワイヤボンディング)。BGAは小さな基板を使い、その上にチップを載せて、ワイヤボンディングでもフリップチップでもつなぎます。内側のつなぎ方は「ワイヤボンディングとは?」と「フリップチップとは?」へ。

フリップチップとBGAを組み合わせると、ボールが2層になります。チップの下にはごく小さなバンプ、基板の下にはそれよりずっと大きなBGAのはんだボールです。

ワイヤボンディングとフリップチップの違いを示す図。左はワイヤボンディングで、チップを表を上にして基板に貼り、4辺の接点から細い線を1本ずつ基板へつなぎます。右はフリップチップで、チップを裏返して表を下にし、並んだ小さなバンプでそのまま基板にはんだ付けします。
ワイヤボンディングはチップの表を上にして、4辺から線を1本ずつ渡します。フリップチップはチップを裏返し、面全体のバンプを一度にはんだ付けするので、接点を多く置けて、信号の道のりも短くなります。図はイメージです。

いくつものチップをまとめて包むと、どんな形になる?

チップを抵抗やコンデンサといっしょに小さなモジュールにしたものがSiPで、外から見るとふつうのチップのように見えます(「SiPとは?」)。いくつものチップを横に並べたり積み重ねたりするのが、ニュースでいう先端パッケージです(「ニュースの「先端パッケージ」とは?」)。中にいくつ入っていても、回路基板につながる層は、やはり底一面のはんだボールであることが多いです。

fab24hrでは

メインストーリー「チップの一生」の第11章「ボールが浮いた」で、あなたは後工程工場の組立プロセスエンジニアです。シューフイが組立ラインを案内してくれます。GlowmereはSiPの小さなモジュールになります。チップを小さな基板に貼り、ワイヤボンディングでつなぎ、モールドして1個ずつに切り分け、ファイナルテストへ送ります。Glowmereのモジュールの底がはんだボールなのか金属のパッドなのかは、ゲームでは語られません。

図鑑の「装置一覧」でワイヤボンダを分解して見ると、銅でできたリードフレームがあります。真ん中にチップが貼られ、まわりにリードがずらりと並んでいます。4辺にリードがあるパッケージやQFNの骨組みになるものですが、最後にどの形になるのかは、ゲームでは語られません。

「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「後工程工場」を押し、左右にスワイプして顧客窓口にします。どのシフトになるかは端末の時刻で決まります。深夜シフトでは、お客さまの生産ラインから電話があり、出荷仕様の図の向きが装置の設定と合わないと言われます。あなたはテーピングの1つ1つのポケットにある「1番ピン」の印を確かめます。本物のパッケージでは、小さな丸い点や切り欠きで、1番ピンの位置を示すことがよくあります。

ゲームには、BGA、QFN、DIPという名前は出てきません。ゲームに出てくる後工程工場、チップ、人物は架空です。パッケージの形は公開されている一般的な資料をもとに書いていて、端子の数を数えるのに使った大きさと間隔は仮の数字です。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかメインストーリー「チップの一生」の第11章「ボールが浮いた」では、シューフイが組立ラインを案内してくれます。GlowmereはSiPの小さなモジュールになります。ゲームにBGAやQFNという名前は出てきません。図鑑の「装置一覧」でワイヤボンダを分解して見ると、まわりにリードが並ぶリードフレームが見えます。

fab24hrでは、補聴器用のチップが組立ラインで基板に貼られ、ワイヤボンディングでつながれ、モールドされて、爪より小さなモジュールになります。

第11章で、Glowmereがモジュールになるまでを見る

先生へ:この記事は「授業でfab24hrを遊ぶ」と組み合わせて授業で使えます。

この記事を引用する「チップのパッケージにはどんな形がある? BGA、QFNという名前の意味」fab24hr、更新。https://fab24hr.com/ja/blog/package-types/
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