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工場の中約8分

装置のアラームとワーニングとは? なぜ、すぐに消してはいけないのか

装置のワーニングは注意です。ある数字がおかしくなり始めていますが、装置は動き続けられ、ふつうは黄ランプが点きます。アラームは警報です。もっと深刻な異常で、装置が自分で止まることが多く、ふつうは赤ランプが点きます。半導体工場の装置は1日に何度も人を呼び、そのほとんどは大したことではありません。だから、ついやりがちな失敗が、よく読まずに消してしまうことです。

アラームとワーニングは何が違う?

スマートフォンで考えてみます。電池が少なくなると注意が出ますが、そのまま使えます。これがワーニングに近いものです。電池が持たないほど減ると、スマートフォンは自分で電源を切ります。これがアラームに近いものです。

装置も同じです。ワーニングのときは、装置はそのまま処理を続け、誰かが見に来るよう知らせるだけです。たとえば、あるガスの流量が上限に近づいているけれど、まだ超えていない、というときです。アラームのときは、処理中のステップが中断されることがあり、装置は止まって人を待ちます。ある大学のクリーンルームの装置マニュアルも、ちょうどこう分けています。「ハード」なアラームは流れている処理を中止させ、「ソフト」なものは知らせるだけで処理は続く、と。

呼び方や分け方は工場や装置によって少しずつ違いますが、考え方は同じです。装置の上のシグナルタワーがどう点くのか、なぜ黄ランプがいちばん見過ごされやすいのかは、「装置の赤・黄・緑のランプは何を意味するのか」へ。

装置は、いつ人を呼べばいいかをどう知る?

装置の中にはたくさんのセンサーがあり、圧力、温度、ガス流量をずっと測っています。それぞれの数字には、あらかじめ誰かがしきい値を決めてあり、超えると人を呼びます。

よくあるのは、同じ数字に線を2本引くやり方です。正常に近いほうの線に触れたらワーニングだけ。もっと外側の線を超えたら、アラームを出して止まります。内側の線は早めに呼ぶので、問題を早く見つけられますが、そのぶん「オオカミ少年」も増えます。

数字がどうやってずっと見張られ、しきい値がどう決まるかは「FDCとは?」、測った結果を管理限界でどう判断するかは「SPCの管理図とは?」へ。

インターロックとは? なぜ装置が動かせないときがある?

人を呼ぶほかに、装置にはもっと強い守りがあります。インターロック(interlock)です。危ない条件が残っているあいだは、ある操作がそもそもできません。

身近な例は電子レンジです。扉を開けると止まり、扉がきちんと閉まっていなければ、スタートを押しても動きません。装置も同じで、たとえばパネルが開いていて、中の高電圧や高周波(RF)の電源に触れられる状態のときは、その電源が入りません。

インターロックのよいところは、人が覚えていることに頼らない点です。条件が合わなければ、装置が自分で止めます。だからインターロックで止められたときにすべきことは、それを働かせている状態をきちんと片づけることで、回り道を探すことではありません。

アラームが鳴ったら、どう対応する? 手順を順番に

細かいところは工場ごとに違いますが、おおまかな順番はこうです。

手順1:何のアラームか、中にウェーハがあるかを確かめる

  • 何をする:装置の前に行き、画面を読みます。どの装置か、どのチャンバーか、どのアラームか、どのステップで止まったか、中にウェーハがあるか、どのロットか。
  • なぜ:原因はまったく違うことがあります。ウェーハが中にあるか、どこで止まったかで、次にすることが決まります。
  • しないと:よく見ないうちに手を出すと、中に止まっているウェーハがもう一度動かされるかもしれません。

手順2:OCAPどおりに、まず被害を止める

  • 何をする:その装置の異常処置計画、OCAPを1項目ずつ進めます。止めるべきものを止め、影響を受けたかもしれないロットをホールドします。
  • なぜ:OCAPは前もって書いてある順番です。夜中に疲れて慌てているときは、それに従うのがいちばん抜けがありません。
  • しないと:推測しながら装置を動かし続けると、後ろのロットまでだめになるかもしれません。

OCAPに何が書いてあり、なぜ前もって書いておくのかは「OCAPとは? 異常が出たときの対応計画」へ。

手順3:知らせるべき人に知らせる

  • 何をする:担当のエンジニアに電話します。装置そのものの問題は装置担当へ、ロットの問題はプロセス担当へ。夜中ならオンコールの人へ。見たことと、すでにしたことをはっきり伝えます。
  • なぜ:装置を開けて直すか、中に止まっているウェーハがまだ使えるかは、その装置をわかっている人が判断することです。
  • しないと:自分で無理に直そうとすると、小さな問題を大きくしかねません。朝まで誰にも言わなければ、装置は何時間も余計に止まります。

夜中に、ラインの人とエンジニアがどうバトンをつなぐかは「オペレーター(技術員)とエンジニアはどう違う?」へ。

手順4:原因を確かめてから、リセットする

  • 何をする:原因が見つかり、取り除かれてから、エラーの状態を消して装置をもう一度動かします。これがリセットです。
  • なぜ:リセットは何も直しません。「エラーが起きた」という状態を消すだけです。
  • しないと:原因が残っているので、同じアラームがすぐにまた出ます。しかも、もっと悪くなることがあります(次の節)。

手順5:記録を残す

  • 何をする:いつ鳴ったか、何のアラームか、何をしたか、誰が対応したかを書きます。装置自身のアラーム記録も残し、消さないでおきます。終わっていないことは引き継ぎ表に書きます。
  • なぜ:同じアラームが何度も出るのは、部品が少しずつ傷んでいる前触れのことがあります。記録があって初めて「また出た」とわかります。
  • しないと:毎回が初めてのように見え、大きな問題が起きてから、実はずっと前から何度も呼んでいたとわかります。

なぜ、リセットを押し続けてはいけないのか

リセットを押すと、ランプは緑に戻り、装置はまた動きます。いちばん早そうに見えます。でも、

  • 問題が片づいていない:装置を止めた原因はまだそこにあるので、アラームは戻ってきます。
  • ウェーハや装置を傷めるかもしれない:装置が止まるのは、たいてい、そのまま続けると困ったことになるからです。ウェーハがきちんと載っていないまま無理にもう一度流したり、途中で止まったウェーハをもう一度動かしたりすると、ウェーハも部品も傷むことがあります。

ある大学のクリーンルームのマニュアルは、はっきりこう書いています。アラームが出たら処理を止め、問題を直すか、装置を管理するスタッフに知らせてから、続けること。

アラーム疲労とは?

知らせが鳴りすぎて、しかもほとんど何事もないと、人は習慣で消すようになります。これがアラーム疲労(アラーム疲れ、alarm fatigue)です。病院では早くから議論されてきました。ベッドのそばのモニターがずっと鳴り、そのほとんどは対応がいらないので、医療スタッフはだんだん聞こえなくなり、音量を下げたり、しきい値を広げたりすることさえあります。

工場も同じです。同じ音を100回聞いて何もなければ、誰でも慣れてしまいます。困るのは、本当に大事な1回が、ほかとまったく同じ音に聞こえることです。これは誰か1人の注意が足りないというだけの話ではありません。だから解決策も「もっと気をつけよう」と言うだけではなく、アラームそのものを少なく、正確にすることです。

本当に大事なアラームを埋もれさせないには?

産業界には、アラームを専門に管理するやり方があり、アラームマネジメントと呼ばれます。よくある原則をいくつか挙げます。

  • どのアラームにも、誰かがすべきことがある:鳴っても誰も何もしなくてよいものは、アラームにすべきではありません。記録に残すだけにできます。
  • しきい値は妥当に決める:きつすぎると、ふだんの小さな揺れでも鳴ります。ゆるすぎると、鳴ったときにはもう手遅れです。
  • 鳴りすぎるものは見直す:記録を定期的に見て、いちばんよく鳴るものを見つけます。しきい値が違うのか、センサーが壊れているのか、本当に問題があるのか。数字がしきい値のあたりで揺れて、鳴っては止まりを繰り返すものには、少し余裕を持たせます。
  • 重要度で分ける:いちばん大事なものを先頭にし、ひと目でわかるようにします。

fab24hrでは

「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「量産工場」を押し、左右にスワイプして製造部を選びます。4つのシフトのどれになるかは、サイトを開いた時刻で決まります。深夜シフトの02:47、エッチング装置ETCH-03のチャンバーAが赤ランプになってアラームを出し、中には特急ロットH-2417の7枚目が止まっています。夜勤のハオは、いつもならリセットしてもう一度流せば通ると言います。OCAPにあるのは「装置アラームのときは、まずエンジニアに連絡」。OCAPどおりにオンコールのプロセス担当へ電話することも、先に一度リセットしてみることもできます。押すと、装置は3秒考えて、また同じアラームを出し、その下に1行増えています。WAFER NOT CHUCKED。ウェーハが吸着できない。

エッチングのプロセスエンジニア(プロセスエンジニアまでスワイプし、名前の下の「エッチング」を押す)を選ぶと、朝シフトにETCH-03でアラーム記録を見ます。この3日間に同じ黄ランプのワーニングが6回出ていて、毎回消されていました。夜シフトに残ると、チャンバーAのHe流量が警告線に触れて黄ランプが点きます。「He流量が上限に近づいています。装置は運転を続けられます。」消して帰ることも、夜勤向けに起票することもできます。

ゲームの会社、人物、装置の番号、数字は架空のものです。アラームとワーニングとは何か、どう対応するかは、公開されている一般的な資料をもとに書いています。やり方は工場ごとに違います。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うか製造部としてプレイすると、深夜シフトの02:47にエッチング装置ETCH-03が赤ランプになり、アラームが出ます。OCAPどおりにオンコールへ電話するか、先に一度リセットしてみるかを選べます。エッチングのプロセスエンジニアなら、夜シフトにHe流量が警告線に触れて黄ランプが点き、消すか起票するかを決めます(チップの一生 第9章)。

fab24hrでは、深夜02:47に装置がアラームを出します。リセットは1秒で押せます。その1秒のあと何が起きるかは、一度遊べばわかります。

製造部で遊び、02:47のアラームで電話かリセットかを選ぶ

先生へ:この記事は「授業でfab24hrを遊ぶ」と組み合わせて授業で使えます。

この記事を引用する「装置のアラームとワーニングとは? なぜ、すぐに消してはいけないのか」fab24hr、更新。https://fab24hr.com/ja/blog/what-is-alarm/
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