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工場の中約8分

ファブとは? 半導体の「ファブ」と「ファブに入る」の意味

ファブ(fab)は、半導体工場の英語の略称です。 fabrication facility、または fabrication plant(製造工場)を短くした言葉で、半導体の業界では、チップをウェーハの上に1層ずつつくる工場のことを指します。英語では wafer fab や chip fab ともいいます。設計された回路が本物のモノになるのは、このファブの中です。

台湾の業界では、中国語で話していても「fab」という英語をそのまま使うことがよくあります。「fab で働いている」「あとで fab に入る」。この記事は、この言葉そのものから話を始めます。どの節も短くまとめたので、もっと知りたいところはリンク先へどうぞ。

ファブは何の略?

fabricate は英語で「製造する」、fabrication はその名詞です。チップをつくる工場は英語で fabrication plant や fabrication facility といい、その頭の3文字をとった略称が fab です。複数なら fabs。

ふだんの英語では、fab が fabulous(すてき)の口語の略であることもあり、工場とは関係ありません。どちらかは前後を見ればわかります。チップ、ウェーハ、クリーンルームといっしょに出てくる fab は、半導体工場のことです。

「ファブに入る」とはどういう意味?

台湾の業界の話し言葉で、よく使われる意味は2つあります。

  • クリーンルームの生産ラインに入ること。 半導体工場のエンジニアは、クリーンルームの外のオフィスでデータを見たり会議をしたりしている時間が長く、装置を見に行くときやウェーハを取りに行くときに「ファブに入る」のです。入る前に、頭から足まで覆う防塵服に着替え、エアシャワーを通ります。小さな部屋で、ノズルから強いきれいな空気が吹きつけ、服の表面の微粒子を吹き飛ばします。出るときは、また自分の服に着替えます。なぜこんな格好をするのかは「クリーンルームでは、なぜ全身を覆う防塵服を着るのか」へ。
  • 半導体工場に就職すること。 「卒業したらファブに入りたい」は、半導体工場で働きたいという意味です。工場の中にどんな仕事があるかは「半導体業界にはどんな職種がある?」へ。

だから同じ「いまファブにいる」でも、「いまクリーンルームの中にいる」のこともあれば、「半導体工場で働いている」のこともあります。

ファブとファウンドリは何が違う?

ひとことで言えば、ファブは場所、ファウンドリは商売です。

  • ファブは工場そのもの。建物、クリーンルーム、装置です。
  • ファウンドリは、ほかの会社のチップをつくる商売です。チップを設計するのはお客さんで、ファウンドリはそのとおりにつくり、自社のチップは売りません。foundry はもともと「鋳造所」という意味の言葉で、のちにこの種類の会社のことも指すようになりました。

厨房で考えてみましょう。ファブは厨房です。ファウンドリは、たくさんの飲食ブランドから注文を受けて、それぞれのレシピどおりに料理するセントラルキッチンのようなもの。セントラルキッチンには必ず厨房がありますが、厨房があればセントラルキッチンというわけではありません。自社で設計して自社でつくる会社(IDM)も自分のファブを持っていますが、そこでつくるのは自社のチップです。

ファブとファウンドリを同じ意味で使う人もいます。ニュースを読むときは、こう分ければ十分です。「新しいファブを建てる」なら工場の話、「ファウンドリ」ならその会社がどんな商売をしているかの話。ファウンドリのしくみは「ニュースの「ファウンドリ」とは?」へ。

ファブの中には何がある?

クリーンルームの外には、エンジニアのオフィスや、ファシリティが工場全体の水・電気・ガスを見張る中央監視室もあります。装置は高価で、ウェーハは完成までに数週間から数か月かかるので、ファブは一年じゅう動き続け、人は交代勤務で見守っています(半導体工場はなぜ24時間止まらないのか)。

ファブ、後工程工場、設計会社は何が違う?

1つのチップ(正式な名前は IC、集積回路)は、たいてい3種類の場所を通ります。

設計会社ファブ(半導体工場)後工程工場
何をするコンピューターで回路を設計し、設計図を渡す設計どおりに、回路をウェーハの上に1層ずつつくるチップをテストし、切り分け、パッケージに包み、もう一度テストする
扱うもの設計データウェーハ1枚ごと1つ1つのチップ
どこで働くオフィス、コンピューターの前オフィスとクリーンルームのあいだオフィスとクリーンルームのあいだ。クリーンルームはふつうファブほど厳しくない
次に読むVLSI設計と半導体工場の仕事はどう違う?半導体はどうやって作られる?OSATとは? 後工程工場では何をしている?

順番はこうです。設計会社が設計を渡すと、回路を焼きつけるためのフォトマスクがつくられます。ウェーハはファブでつくられ、そのあと後工程工場へ送られます。業界では、ファブで行う工程を「前工程」と呼び、そのあとのテストとパッケージを後工程と呼びます。

ファブレスとはどういう意味?

ファブレス(fabless)は「ファブがない」という意味です。チップの設計だけをして、自社のウェーハ工場を持たない会社のこと。設計はファウンドリに渡してつくってもらい、パッケージとテストは後工程工場に任せます。チップの設計会社と呼ばれる会社の多くは、この形です。さっきのたとえでいえば、メニューは考えるけれど自分の厨房は持たない飲食ブランドです。

なぜ自分で工場を建てないのか。ファブがとても高いからです。いちばん先端のファブは、1つ建てて装置をそろえると数十億ドルから100億ドルを超える費用がかかり、建てたあとも、ずっと仕事で埋まっていないと元がとれません。工場を持たなければ、お金も人も設計に集中できます。そのかわり、ファウンドリと日程や生産能力を調整しなければなりません。

ファブレスの反対は、自社で設計し、自社のファブも持つ会社。さきほどの IDM(垂直統合型デバイスメーカー)です。3種類の会社がどう分業しているか、なぜそうなったかは、「ニュースの「ファウンドリ」とは?」でレストランのたとえを使って説明しています。半導体以外でも、自社の工場を持たずに企画・設計と販売に集中する会社を、ファブレスと呼ぶことがあります。

fab24hrでは

fab24hrという名前の fab は、半導体工場のことです。ゲームの舞台は、架空の開発ライン、量産工場、後工程工場。「工場の一日」ではこの3か所のどれでも選べ、メインストーリー「チップの一生」では、架空の補聴器用チップを追いかけて開発ラインから量産工場、後工程工場へと進みます。オフィスからクリーンルームに入るときは、毎回防塵服に着替えてエアシャワーを通ります。1日に何度も出入りすることも少なくありません。量産工場のファシリティエンジニアになれば、階段を下りてサブファブにも行きます。ファブで1シフト過ごすなら、「出勤」を押して「工場の一日」を選び、「今日のあなたは」のカードで「開発ライン」「量産工場」「後工程工場」のどれかを押し、左右にスワイプしてその仕事へ。エリアのある仕事は、名前の下でエリアも選びます。開発ラインと量産工場の違いは「開発ラインと量産工場は何が違う?」、エアシャワーやサブファブの中のようすは「半導体工場の装置を、分解して見る」で見られます。ゲームの会社、人物、装置番号、数字は架空のものです。ファブとは何か、中に何があるかは、公開されている一般的な資料をもとに書いています。ほかの用語は「半導体工場の業界用語を、やさしく解説」へ。

ゲームのどこで出会うかゲームの舞台は架空のファブ、つまり開発ラインと量産工場、それに後工程工場です。オフィスからクリーンルームに入るときは、防塵服に着替えてエアシャワーを通ります。これが「ファブに入る」こと。量産工場の下の階にはサブファブもあります。

fab24hrでは、1日に何度も「ファブに入る」ことがよくあります。防塵服を着て、エアシャワーを抜けると、装置とウェーハが待っています。

出勤して、架空のファブに入る

先生へ:この記事は「授業でfab24hrを遊ぶ」と組み合わせて授業で使えます。

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